著者
宇野洋二 川人 光男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学技報,NC94-28,33/40
巻号頁・発行日
pp.33-40, 1994
被引用文献数
10

ヒトの腕の滑らかな運動軌道を説明するためにトルク変化最小モデル、筋張力変化最小モデルなどダイナミックな運動規範モデルが提案されてきた。これらの運動規範モデルに基づく腕の最適軌道は、腕のダイナミクスに依存し、その物理パラメータの値によって変動する.本研究では、腕の慣性モーメント、粘性係数、筋肉のモーメントアームなどの値をこれまでよりも正確に推定した後、トルク変化最小軌道や筋張力変化最小軌道を求め,これらのモデルでヒトの腕の運動軌道が再現されることを確かめた。また,運動時間との関係を考察し,トルク変化最小モデルでは,運動時間を倍にしたときの運動軌跡は,粘性係数を倍にしたときの運動軌跡に対応することを示す.