著者
新保 真紀子
出版者
神戸親和女子大学児童教育学会
雑誌
児童教育学研究 (ISSN:13420305)
巻号頁・発行日
no.25, pp.33-51, 2006-03

学校において今なお,同和地区住民などマイノリティに対する人権侵害や差別事象が生起している。その多くは,科学的な知識や具体的事実に基づかない偏見が基底にあり,社会科教育が担う課題は大きい。近年,近世における部落史の見直しが進み,1990年代半ばより歴史教科書の記述が変化してきた。にもかかわらず,多くの教師の指導内容や指導方法は旧態依然としたままで,改善がなされていない。江戸時代身分制度成立を中心とした小学校社会科教科書の変遷を辿り,小学校社会科教育の指導内容と指導方法のありかたについて,考察する。