著者
鶴岡 克彦
出版者
大分県農林水産研究指導センター
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (ISSN:21861021)
巻号頁・発行日
no.2, pp.16-23, 2012-03

ソルガム糸黒穂病および麦角病の蔓延防止を目的として、罹病程度の低い品種選定及び病害の発生しない出穂前段階において収穫する病害回避技術を開発した。1. 66品種・系統のソルガムおよびスーダングラスの糸黒穂病に対する抵抗性の圃場検定では、23品種が罹病せず、うち15品種について以後2年間の検定で罹病しなかった。2. フルトラニル25%種子重量の1%、メプロニル75%種子重量の0.4%、チウラム80%種子重量の1%、キャプタン80%種子重量の0.4%の種子粉依による種子消毒は、糸黒穂病に対する効果を示さなかった。3. 出穂前収穫体系に適合する高消化性晩生ソルガムの乾物収量は市販品種SSR4と同程度であり、TDNは62.8%であり、SSR4と比較して3%高かった。4. 高消化性晩生ソルガムは、輸入チモシー乾草及び飼料用トウモロコシの代替として、泌乳牛に給与しても、乳量等に差は無く、泌乳牛での利用が可能である。
著者
藤田 達男 阿比留 真吾 木下 正徳 松田 謙一郎 後藤 貴文
出版者
大分県農林水産研究指導センター
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (ISSN:21861021)
巻号頁・発行日
no.2, pp.4-10, 2012-03

黒毛和種雄牛12頭を用いて、哺育期に炭水化物を強化した代用乳および人工乳給与後、育成期を濃厚飼料給与区と乾草のみ給与区に分け、さらに肥育期には両区を畜舎内乾草給与区と放牧区の計4区に分けて約30ヵ月齢まで飼育した。7~23ヵ月齢の体重は、育成期に濃厚飼料を給与した区が有意に高く、育成期の濃厚飼料給与は発育に強く影響することが示唆された。枝肉格付け等級はA2:2頭、B2:4頭、B1:6頭であったが、育成期に濃厚飼料給与した区の方が枝肉重量、ロース芯面積、バラの厚さおよびBMSNoが高い傾向がみられ、育成期の濃厚飼料給与は発育と肉質の双方を高める効果が示唆された。部内職員を対象として食味試験した結果、予想以上に柔らかく、あっさりして美味しかったといった好意的な評価が多かった。経済性を試算した結果、育成期に濃厚飼料を多給し代謝的インプリンティングを誘導した後に放牧肥育を行う方法が最も収益性が高かった。
著者
伊藤 龍星
出版者
大分県農林水産研究指導センター水産研究部
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (ISSN:21861021)
巻号頁・発行日
no.1, pp.17-22, 2011-03

大分県豊後高田市と中津市干潟域の支柱式ノリ養殖漁場において、2007、2008年の秋冬季にカモ類5種(マガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、コガモ)計10個体を捕獲し、消化管内容物を調査した。1 マガモ2個体の消化管からは、それぞれフトコロガイ科の貝10個、コアマモ葉片0.46gが、カルガモ1個体からはコアマモ地下茎が、オナガガモ1個体からはホトトギスガイ7個が確認された。2 海岸で採集された糞からは、コアマモ葉片が多数確認された。3 消化管および糞中にノリ葉休は認められなかった。4 当該地域の2008、2009年のカモ類生息数は2007年の2.5~3.3倍に増加していた。