著者
松尾 雄二
出版者
宮崎大学教育文化学部
雑誌
宮崎大学教育文化学部紀要. 人文科学 = Memoirs of the Faculty of Education and Culture Miyazaki University. Humanities (ISSN:13454005)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.85-114, 2002-03-30

ニュートンの『プリンキピア』の巻末に付けられている「一般的注解」は、それが力学だけでなく神学や哲学や倫理学等、広範囲の諸問題とつながる内容をもつため、日本においてこれまで完全な訳がなかった。 ここにラテン語原文からの正確な訳を試み、また詳細な注によって解説を加えることで、17世紀科学革命の完成点といわれるこの著作を、彼自身がどのように見ていたかを明らかにした。 そこで彼は、人間一般の知的な営みの中に『プリンキピア』的方法論を位置づけながら、近代科学的思考が神学に基づいていることを主張している。