著者
畠山 真一
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
no.6, pp.63-77, 2012-03-31

本論文は,スル形で発話時が指示可能であり,人称制限が観察される,「困る」,「照れる」,「イライラする」といった感情を表現する動詞(以後,感情表出動詞) を分析し,その局面構造と人称制限のメカニズムを明らかにすることを目的としている。分析の結果,(1)感情表出動詞は,感情出現,感情表出動作,感情状態の3の局面からなる局面構造を持つこと,(2)シテイル形に見られる人称制限解除が,感情表出動作によるものであり,証拠性の概念にうったえる必要はないこと,(3)スル形・シタ形に観察される人称制限は,それぞれの形が見せる一般的な使用制限から説明可能であること,の3点が明らかになった。
著者
北口 己津子 角田 裕之
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.65-78, 2008-03

尚絅学園図書館中央館の利用者サービスの向上を目的にして移動図書館を企画,実施した。学生に対する図書館サービスは利用者が来館し,開始されるサービスがまだ多い。利用者サービスの評価指標に,図書の貸出冊数を用い,A.新規利用者の開拓,B.資料の有効活用,C.貸出効率の3つの評価項目を分析した。2回(延べ10日間)の移動図書館における利用者サービスを分析したところいずれの評価項目においても良好な結果を得る。
著者
角田 裕之
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
no.3, pp.15-34, 2009-03-31

科学コミュニケーションの伝達メディアは,書簡,本を経て,学術雑誌へと変化してきた。科学コミュニケーションにおける公式ルートの一つは学術雑誌に採録された文献の引用であり,引用を分析することでその影響が解明される。本論は引用の持つ意味について明らかにし,引用分析が果たす役割について考察する。
著者
角田 裕之
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
no.6, pp.79-85, 2012-03-31

学術知識が集積した集合と論文との非明示的な引用関係を定義した指標(KP),及び被引用量指標(Cited)を用いて2つの大学ランキング(KPR と CR)を作成した。これらの2つのランキングと他の主要な大学ランキングとのスピアマンの順位相関係数を調査した。KPR はTHE, AR, RW, NW と,CR はQS とSIR の間で高かった。この原因となった大学ランキングを構成する指標を考察し,KPR が主要な大学ランキングと類似性が高いことを示した。
著者
角田 裕之
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
no.5, pp.35-57, 2011-03-31

文献データベースの著者所属機関の名称表記は多様であり,正規機関名との対応関係が一意に決まらない。本研究は著者が高等教育研究機関の所属であるとき,文献データベースから得られる情報から正規機関名に変換する方法に関する考察である。ここでは,文献から得られた機関名に対する変換の方法と手順について検討した。17万件の文献を手順に従って変換したところ,正規機関名に変換できたのは全体のおおよそ79%であった。今後更に変換率を高めるには,単語の並び順への対策が必要であることが分かった。
著者
宮崎 尚子
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅学園研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
no.6, pp.A25-A48, 2012-03-31

小説家でもあり評論家でもあった石丸梧平主宰の雑誌「団欒」を十三冊を発見した。このうち紙幅の都合上、(1)第十二号「生活と食物号」(大正五年五月一日発行)、(2)第二巻第一号「文芸号」(大正五年六月一日発行)、(3)第二巻第二号「美と表情号」(大正五年七月一日発行)、(4)第三巻第一号新年号(大正六年一月一日発行)、(5)第四年第一巻新年号(大正七年一月一日発行)、(6)第四年二月号(大正七年二月一月発行)、(7)第四年三月号「義理人情号」(大正七年三月一日発行)、(8)第四年四月号〈再版〉(大正七年四月一日発行)、(9)第四年七月号(大正七年七月一日発行)の九冊の目次を紹介する。与謝野晶子、平塚明子(雷鳥)、若山牧水、島村抱月、釈超空など著名人の投稿も見られる。