著者
中谷 幸夫 藤山 昌三
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-48, 2011-03

化学合成農薬及び化学肥料を50%以上削減するエコやまぐち農産物認証制度に対応したブドウの防除体系を確立するための試験を実施した。1 簡易被覆栽培においては、開花前まで化学合成殺菌剤を散布しなくても、ベと病、黒とう病の発生は認められなかった。2 植調剤の1回処理を行い、さらに粒数回数を1回のみとして早期に袋かけを行うことで、袋かけ前の防除を1回削減できた。また、摘粒回数を1回のみとすることで、摘粒時間は約35%短縮された。3 作成したエコ50用防除体系の防除効果及び果実品質は、慣行の県防除例と同程度であった。また、エコ50用防除体系の生産コストは、慣行の県防除例に対し、10a当たり約3万円削減されるという試算結果が得られた。
著者
尾関 仁志 光永 拓司 藤田 淳史 松本 哲朗
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.1, pp.37-45, 2010-03

アジアティックハイブリッドとヒメユリを花柱切断法で交配し、胚珠培養技術を用いて、小輪タイプの新品種「プチフレーズ」、「プチブラン」、「プチルナ」および「プチロゼ」を育成した。各品種の特性は、以下のとおりである。1.「プチフレーズ」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が淡黄ピンクで、花被の斑点が小さく目立たない。2.「プチブラン」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が黄白で、花被の斑点が小さく目立たない。3.「プチルナ」は、花の直径が約10cmと小さく、花色が明黄で、花被の斑点は全くない。4.「プチロゼ」は、花の直径が約12cmと小さく、花色が鮮紫ピンクで、花被の斑点は全くない。5.切り花栽培には4品種とも球周8cm以上の球根を用い、5℃で冷蔵処理した球根を10月下旬から11月に定植すると、到花日数は「プチフレーズ」が120〜130日、「プチブラン」が約130日、「プチルナ」が105〜115日、「プチロゼ」が125〜135日となる。6.球周10〜12cmの球根を母球として増殖すると、切り花栽培用の球根が「プチフレーズ」は0.5球、「プチブラン」は約4球、「プチルナ」は約10球、「プチロゼ」は約9球増殖される。
著者
平田 達哉
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-10, 2010-03

山口県の農産物のうち、農産物53品種の機能(抗酸化機能、抗アレルギー機能、脂質代謝改善機能)を調査した。抗酸化機能の活性酸素消去能では、ナス「田屋」、ナシ、カリン、イチゴ、タマネギ「山口甲」、ニガウリ、トマト、茶葉に強い活性が認められた。またコッコウ、フェイジョアにやや強い活性が認められた。また、DPPHラジカル消去能では、ゴボウ、シュンギクに強い活性が認められた。またイチゴ、白オクラ、ショウガ、ナシ、リンゴにやや強い活性が認められた。抗アレルギー機能では、カリンに強い活性が認められた。また、カブ「萩ころげ」、ヤマノイモ、サツマイモ、タマネギ「山口甲高」、ショウガにやや強い活性が認められた。脂質代謝改善機能では、アザミナ、「はなっこりー」に強い活性が認められた。また「とっくり大根」、ホウレンソウ、イチゴ、パプリカ(赤)にやや強い活性が認められた。以上のことから、抗駿化機能、抗アレルギー機能、脂質代謝改善機能に有効である農産物を探索することができた。