著者
小寺 洋一 石原 由美子 武藤 大志郎 黒木 健
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 = Journal of the Japan Society Waste Management Experts (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.35-43, 2008-01-30
参考文献数
21
被引用文献数
1 3

既存の廃プラスチック類の油化技術および油化リサイクルの進展を阻害した要因を分析し,油化リサイクルの普及に必要な,次世代型油化技術の基本的要件の調査研究を行った。従来の主な油化技術はバッチ式タンク反応器をもつ小規模油化プラントによるもので,炭化物障害による処理能力の不足から油化事業は経済的に成立困難であった。廃プラスチックの発生量・流通量の実態調査と試算から,油化リサイクル普及に必要なプラントの仕様・性能は,油化能力日量3~7ton,装置コストは処理量1tonにつき0.5億円,油化コスト約40円/kgであった。既存技術は,日量1ton程度と過少かまたは,日量20ton以上の過剰設備で,いずれも企業の事業規模に適合しなかった。油化リサイクルの促進には新型式反応器の開発,実用化が必要で,その基礎となる事業性と技術的鍵となる反応器の伝熱効率の評価を通じて,次世代型油化技術の具備すべき基本的要件を明らかにした。
著者
福岡 雅子 小泉 春洋 高月 紘
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 = Journal of the Japan Society Waste Management Experts (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.418-428, 2004-09-30
参考文献数
11
被引用文献数
2

本研究は, 2000年度から完全施行された容器包装リサイクル法に対応して市町村で分別収集が導入されつつあるその他プラスチック製容器包装について, 既に分別収集を導入した自治体の事例から, モデル実施および全市実施を行った場合の収集量原単位や収集ごみ質等の変化を把握し, 分別収集の方法等による違いを検討した。<BR>その結果, 行政区域全体で導入した場合 (全市実施) は, 行政区域の一部でモデル的に導入した場合 (モデル実施) に比べて収集量原単位が大きくなる傾向があることが明らかとなった。原因として, モデル実施と全市実施における住民啓発方法や住民への協力要請内容の違いが, 収集量原単位に影響を与えていることが想定できた。寝屋川市におけるごみ質分析結果でも, 全市実施時にはモデル実施時に比べて住民の協力が高まり, プラボトル, パック・トレイ等については, 重量で7割以上が適正に分別排出されることが確認できた。