著者
大石 恭史
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日写誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.349-367, 2008

40, 50年代にKodak社はカップラー内蔵型感材の色再現の改良に強力に取り組んだ. 新しい現像薬とカップラー等が, 基礎研究の基盤の上に開発された. 特に大きな効果を挙げたものとしては, 3-acylamino-5-pyrazoloneマゼンタ, pivaloylacetanilideイエローのカップラーがA. Weissbeger, PVittumらによって, カラード・カップラー型マスキングがWHanson, Jrらによって夫々見出され実用に供された. 生産面ではTRussellらによって発明された同時多層塗布法が感材の品質と生産性を飛躍的に向上させたばかりでなく, 感材設計に発展性をもたらした. 1960年頃Kodakの感材技術は第1次の完成期に達し, 業界他社に向かうべき方向を示していた.