著者
宮原 隆史
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
日本インターンシップ学会大会収録集
巻号頁・発行日
no.1, pp.35-46, 2001-04-27

論点: 欧米諸国のインターンシップ事例では、学生はインターンシップの派遣にあたり、企業にスムーズに入りこみ、職員と遜色なしに仕事をこなしているそうです。日本の場合、派遣する学校及び担当先生はインターンシップが終了して学生が帰って来るまで心配でたまらない。その違いは何か。調査目的: 学生が仕事という社会的行為を社会人と一緒にするにあたって、学生の未熟さの問題を「学生の社会人としての育成」、「仕事に対する姿勢の教育」等の各国の違いを調査測定方法: アンケートA4用紙1枚質問紙による自己報告法評定項目数は5点法中間に判定者を置くリカーと法フェイスは無記名質問数は13問検定方法はt検定調査項目: 「仕事につくにあたってのあなたの考え」「仕事と学校の関係」「職業についての考え」の調査標本数: 日本創価大2年次男18人、女32人21から22歳英国カレッジ6学年男1人、女12人17から18歳タイ国サマンサート大ユニバーシティ1〜4学年男12人、女31人18から22歳調査結果: 全般的に、日本の学生はタイ国の学生より英国の学生と似た傾向をもっている。ただ、日本の学生と英国の学生の際立った違いは、仕事をこなす自信が日本はないということです。その違いは日本の学生には夢がないということがいえます。また、成熟化社会のわが国、英国と、数十年前の活気にあふれたわが国のような経済発展の途上にあるタイ国とでは、まったく逆の結果が出ているという結果が出ております。経済の活気がうせるとともに、学生たちの職業社会理解が欠けてきたといえます。日本の学生は他の国の学生に比べて、インターンシップに対する対応の甘さがあります。これは、職業に対する甘さにもつながっています。
著者
那須 幸雄
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
日本インターンシップ学会大会収録集
巻号頁・発行日
no.1, pp.25-34, 2001-04-27

1.米国と日本のインターンシップとは (米国では)・米国では、コーオプ(Co-operative Education)教育と、その普及課程で派生し企業がそのメリットを見出し、独自に運営するインターンシップを分けている。・コーオプ教育は学問と仕事を1つのカリキュラムに融合することを目的とし、大学が企業の協力を得て、運営管理する。専門分野の学習とそれに関連した就業経験を在学中に交互に受けさせる教育プログラムである。従って、教育に主眼がある。就業期間は在学中であり、複数の学期にわたることが多い。・インターンシップは、夏休み、春休みの短期間に実施される(雇用主からの見習の意味が強い)。インターンシップは、一般的には、学生が企業において実習・研修的な就職体験をする制度のことである。・Internship Bibleによると、参加学生は50万人以上、受け入れ企業は10万社以上。・米国企業採用の大学新卒者の72.6%がインターンシップを経験。インターンシップ導入企業では、平均1社当たり32人のインターンシップを受け入れ、そのうち平均13人は正社員として採用されている。インターン経験者は、初任給が良く、内定獲得企業数も多い。(以上の出所: 財団法人コンソーシアム京都のUniversity Consortium No.2 1998.7)(日本では)・わが国では、米国のように名称やプログラムを区別せずに、学生の就業体験を伴う制度を総称して、インターンシップと呼び、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として、幅広くとらえている。・米国のコーオプ教育が本格化したのは60年代後半。わが国では、97年に「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(文部、通産、労働の3省連絡会)を出し、98年がインターンシップ元年と言われて、地域ごとの調査・研究・モデルプロジェクトが3省によって実施されている。 2.幾つかの事例と教育成果について・大学コンソーシアム京都、沖縄県名桜大学のインターンシップ事例・日本文理大学の事例・そこから読み取れること