著者
小枝 美由紀 大野 かおり
出版者
一般社団法人 日本在宅ケア学会
雑誌
日本在宅ケア学会誌 (ISSN:13469649)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.65-75, 2023 (Released:2023-09-26)
参考文献数
19

訪問看護師とホームヘルパーが連携しながら与薬を行うためのモデルを検討した.訪問看護ステーション管理者15名,訪問介護事業所サービス提供責任者13名にグループインタビューを実施し質的帰納的分析を行うとともに,先行研究で得られた連携の概念モデルと統合することで,連携モデルを作成した.モデルには,連携の前提となる4要素,連携の実践内容となる4要素,連携の効果となる3要素が得られた.連携の実践内容となる要素では,【情報の共有と統合】により具体的な与薬の方法が共有されたのち,【役割を分担,補完しながら共に与薬する】実践が始まり,その際,【与薬を行うための共有ツールの作成と活用】が行われる状況があった.また,連携がより上手く機能していくための基盤となるものとして【連携の基盤作り】があった.今後は,実際に現場で運用することによるモデルの有用性の検証と,更なる精錬を行う必要がある.