著者
川瀬 翔太 大塚 秀三 赤谷 樹一郎 竹村 雅行 遠野 未来 荒巻 卓見
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集 2012年大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
pp.54, 2012 (Released:2013-09-03)

本報の目的は、伝統工法による版築壁の圧縮強度および形状変化に及ぼす調合および施工要因の影響を明らかにすることを目的とした。その結果、以下の結論が得られた。圧縮強度が最大になる構成割合は,荒木田土,細骨材および消石灰の質量比が1:0.5:0.15であり,体積変化率を考慮するとMgCl2水溶液の濃度が15%である。圧縮強度が最大となる施工要因は,ランマーの落下高さ30cm,締固め回数25回,脱型材齢7日および気中養生である。締固めエネルギーに伴う圧縮強度は,概ね200×103~300×103J/cm3の間で最大となり,それ以降は減少する。養生方法に伴う圧縮強度は,いずれの養生方法とも材齢の経過に伴い増加するが,封かん養生より気中養生の方が大きくなる。
著者
野村 価生 勇 松井 永井 香織
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集 2012年大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
pp.30, 2012 (Released:2013-09-03)

本研究は、壁面にスポットライトを照射したときの、壁面仕上げの光と影により凹凸が良く見える照射条件について述べている。8種類の仕上げパターンを施工したフレキシブル板(900×1800㎜)を試験壁とした。試験壁の最上部一箇所にハロゲンランプを設置し、試験壁中央部の照度を100~3500lxの11段階に変えて照射した。写真撮影は、試験体中央部にカメラを設置し、照射時に試験壁全面を撮影した。輝度は、試験体を12分割のユニットに区分し、1ユニット当たり12箇所において測定した。壁面の上部から照射したスポットライトによる壁面各部の輝度分布と凹凸表面の光と影の見え方について分析した。試験の結果は、以下のとおりである。凹凸表面は、500cd/㎡以下では、はっきり見ることができないが、500~1000cd/㎡で最も良く見える。2000cd/㎡を超えると全体が明るくなり見えにくくなる。
著者
杉本 賢司 大川原 良次 氏家 知美 遠藤 充泰
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集 2012年大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
pp.70, 2012 (Released:2013-09-03)

セシウムの含有量は、稲では、根・茎・葉の部分のセシウムの含有量は高くても穂に含まれる実の部分は数値が小さい。これは植物が優秀な子孫を残すために実の部分には有害物質を伝達しない。建物では屋根材や樋などの苔の発生部分がセシウムの線量が苔のない部分の3~4倍も高い。これは苔が空気中に浮遊するセシウムを栄養素と間違えて摂取し体内に取り込むといわれている。これは採取した栄養や水分を外部に放散しないように生態系ができている。この原理をつかい、コンクリートや大谷石、古木などは除染しにくい部分を、苔をつかって除染した。時間のかかる緩やかな除染ではあるが、確実に数値は低下し除染時に発生する残土や廃棄物がきわめて少ない。福島市の住宅では、除染しても廃棄物は自宅で保管することが決められており、周辺に飛散させず安全に処理できることは有効である。