著者
宗内 桂 村田 由香 藤井 知美 渡邊 智恵
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.13-24, 2020

A大学の総合看護実習は,学生が事前に自己の実習目標と計画を立案し,実習中に実習指導者と計画内容を調整しながら主体的に実習目標到達に向けて取り組むことが求められる。総合看護実習の課題として,①経験のない実習方法に学生が戸惑うこと,②学生が求められる学習内容を理解して実習に臨めないこと,③実習目標に対する具体的な評価指標がないことがあった。そこで,平成29年度より実習目標の評価基準を具体に示したルーブリックを導入し,学生と教員が認識した学習効果と課題を2年間継続して明らかにした。その結果,≪自発的学習課題への動機づけ≫ ≪根拠に基づく自己評価の実践≫ などの学習効果が得られ,ルーブリックが実習課題を解決するための有用なツールであることが示された。一方,ルーブリック導入による課題は,≪評価基準と実習内容との相違≫ ≪不十分な理解による不適切な自己評価≫などがあり,改善に向けた対応の必要性が示された。研究報告
著者
三味 祥子 実藤 基子 吉田 和美
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.37-44, 2012

初回臨地実習に臨む1年次看護学生が,自分たちで作成したチェックリストを活用したことで,学生が接遇やマナーをどのように意識し,捉えたかについて分析し,今後の接遇教育への示唆を得ることを目的とした。結果は,【服装や髪型に清潔感を意識し学生らしく整えた身だしなみ】,【コミュニケーションを積極的に行う気持ちを持ち続け築けた患者との関係性】等の6つのカテゴリーを初回臨地実習の接遇やマナーで良くできたと感じ,【学生としての基本的なマナーの再認識】,【実習で学ぶ学生として大切と感じた積極的な姿勢】等の6つのカテゴリーを次回臨地実習へ向けた自己課題としていた。接遇・マナーを実践することは,患者に安心感を与え,患者との信頼関係が結ばれることにつながる。よって,これからも学生が臨地実習で接遇・マナーを実践し,人間関係を豊かにできる人材となるよう接遇における教育開発を実践していく必要性があることが示唆された。