- 著者
-
松原 みゆき
- 出版者
- 日本赤十字広島看護大学
- 雑誌
- 日本赤十字広島看護大学紀要 (ISSN:13465945)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.37-46, 2014
本研究の目的は,訪問看護ステーションに勤務する管理者のやりがいと困難を構成する要素を明らかにすることであった。管理者9名を対象に,半構成的面接を行った。管理者のやりがいは[訪問看護ケアの提供から得られる喜び]を根底とし,[スタッフから得られる喜び],[よい評価をされる喜び],運営・経営まで[全てのことを采配できるおもしろさ]で構成された。困難を構成する要素は,[スタッフ管理の難しさ],[母体法人との関係作りの難しさ],[労働環境の不整備による負担],[全てのことに負わないといけない責任の重さ],[管理者ゆえの孤独感],[離職意向が生まれる困難]であった。また,管理者のやりがいや職務継続意思を高め支えるものとして,やりがいをサポートする要素と困難を克服するための要素が抽出された。やりがいをサポートする要素は,[スタッフとの良好な関係],[自分の理想のステーションを作る使命感],[小さな目標達成の積み重ねによる達成感]であった。困難を克服するための要素は,[管理者仲間がいる],[職場外の訪問看護師仲間がいる],[スタッフとコミュニケーションをとる],[仕事以外の時間をとる]であった。以上のことから,管理者がやりがいを持ち,職務を継続していくための支援として,やりがいを高めるための支援体制の整備,職場内で業務を分担できるスタッフの育成や管理者仲間とのネットワーク作りなどの必要性が示唆された。研究報告