著者
宗内 桂 村田 由香 藤井 知美 渡邊 智恵
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.13-24, 2020

A大学の総合看護実習は,学生が事前に自己の実習目標と計画を立案し,実習中に実習指導者と計画内容を調整しながら主体的に実習目標到達に向けて取り組むことが求められる。総合看護実習の課題として,①経験のない実習方法に学生が戸惑うこと,②学生が求められる学習内容を理解して実習に臨めないこと,③実習目標に対する具体的な評価指標がないことがあった。そこで,平成29年度より実習目標の評価基準を具体に示したルーブリックを導入し,学生と教員が認識した学習効果と課題を2年間継続して明らかにした。その結果,≪自発的学習課題への動機づけ≫ ≪根拠に基づく自己評価の実践≫ などの学習効果が得られ,ルーブリックが実習課題を解決するための有用なツールであることが示された。一方,ルーブリック導入による課題は,≪評価基準と実習内容との相違≫ ≪不十分な理解による不適切な自己評価≫などがあり,改善に向けた対応の必要性が示された。研究報告
著者
渡邊 智恵
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

能登半島地震で被災を受けたA町の住民を対象として、発災直後、1年後、2年後、3年後の健康状態を調査した。住民台帳から無作為抽出をした1000人の住民にGHQとともに基本属性に関するアンケート調査(郵送)を行った。525名から回答があり、そのうち有効回答は383名であった。本調査の結果、発災から時間経過とともに、健康状態は良くなっている人が多いが、治療中の疾患ある人については悪化している人もおり、災害後の時間経過に沿って個別的なケアが必要であることが明らかになった。能登半島地震後においては、特に発災~1年間は健康状態に対するケアが必要であるが、2年目以降については健康状態が改善傾向にあることがわかった。さらに、上記の回答者から健康維持群、健康改善群、健康悪化群に分類し、健康状態が変化した要因について聞き取り調査により明らかにした。