著者
足永 靖信 河野 孝昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成18年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.115-120, 2006 (Released:2006-09-23)

本研究では、地球シミュレータを都市環境問題に初めて活用することにより、個々の建物を解像したヒートアイランド解析に取り組んだ。今回は新たに解析モデルを開発し、都市部の熱環境解析の一例として、水平5mメッシュの解像度で汐留の再開発エリアを含む5km四方領域の熱環境解析を実施した。そして、超高層ビル群による熱環境の影響について考察を行った。超高層ビル群がある場合は、超高層ビル群の前方から後方の広範な領域で風速5m/s以下であり、特に下流側では風速2m/s以下に風速が低下した。これに対応して、広い範囲にわたって気温が上昇した。本解析では、超高層ビル群による影響がビル高さの数倍に相当する風下1kmの広範な領域に及んでいることが示された。
著者
成田 健一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成18年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.109-114, 2006 (Released:2006-09-23)

ヒートアイランド緩和施策として注目されている「風の道」について、これまでの研究成果をふまえながら基本的な考え方についてまとめた。ドイツでは、夜間の斜面冷気流を大気汚染対策として市街地に導入する施策として都市計画に活かされているが、わが国では暑熱緩和を目的に日中の海風利用が注目されており、導入の目的も利用しようとする自然現象のスケールにも違いがある。海風は斜面冷気流に比べはるかに厚さがあるため、連続的なオープンスペースの確保や流れを遮断しない向きに建物配置を誘導するというドイツ的な発想に固執せず、上空風の積極的な取り込みなど市街地の換気効率を面的に向上させるという観点からの利用が重要であることを指摘した。
著者
小林 文明
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成18年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.93-98, 2006 (Released:2006-09-23)

「強風災害の低減に向けて何ができるか?」というパネルディスカッションのテーマに対する議論の材料となるべく、以下の3点に関して話題提供を行う。1)気象災害が頻発した2004年の具体的事例から強風被害における問題点を挙げる。2)気候変動と気象災害について近年の災害がどのような位置付けになるのかコメントする。3)気象擾乱研究会の活動を紹介する。