著者
和泉 俊輔
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日臨麻会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.393-396, 2018

<p>対麻痺は胸部ステントグラフト内挿術の最も重篤な合併症である.脊髄障害の発生率を減少させるため,胸部ステントグラフト内挿術における脊髄保護戦略として血圧管理,脳脊髄液ドレナージ,術中神経モニタリングについて検討する.また胸部ステントグラフト内挿術では遅発性の脊髄障害が多いことが特徴とされる.障害の発生する時期に関連する因子として解剖学的な因子や血行動態の因子が考えられる.血圧管理,脳脊髄液ドレナージ,術中神経モニタリングはガイドラインにも掲載されており,患者予後の向上のためにも麻酔科医にとって必須の事項になる.</p>