著者
小野 芳朗
出版者
土木学会
雑誌
景観・デザイン研究講演集
巻号頁・発行日
no.5, pp.227-232, 2009-12

本論では,景観は「開発」され「発見」されるものとして,内務省顧問,東京帝国大学教授の田村剛の景観に関する言動を実証した.岡山後楽園における田村の発言は,大名庭園の見方を提示し,近代後楽園像を「発見」した.また瀬戸内海国立公園における山頂からの大観も「発見」は,地元により「開発」され,それらが田村の基準にかなった場が編入されていった感がある.こうした主知的な風景への感性が,システム化され,規定されていく事例をあげ,景観工学の問題提起とした.