著者
池嵜 寛人 兒玉 成博 畑添 涼
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
熊本保健科学大学研究誌 (ISSN:24335002)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-22, 2021-03

【はじめに】言語聴覚士養成課程の学生が臨床実習で経験する検査の実態を明らかにすることを目的として,本専攻の臨床実習で用いているチェックリストの分析を行った。【方法】評価実習(3週間)と総合実習(8週間)を履修した学生91名を対象とした。実習を通して「見学」,「模倣前期」,「模倣後期」,「実施」のいずれかに記載がある学生は見学以上の経験あり,記載がない学生は未経験として,見学以上の経験ありの割合を算出した。【結果】評価実習および総合実習ともに,半数以上の学生が簡易知能検査,言語評価,構音評価,嚥下評価の主要な検査を経験していた。標準失語症検査に関する学生の経験状況は,総合実習の方が評価実習に比べて,「模倣前期」の割合が少ない傾向を認めた。頸部聴診では,総合実習の方が評価実習に比べて,「実施」の割合が多い傾向を認めた。【考察】学生が臨床実習で経験している現状をふまえ,学内教育のカリキュラムを検討することも必要であると考える。