- 著者
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小川 正巳
猪谷 富雄
- 出版者
- 県立広島大学
- 雑誌
- 生命環境学術誌 (ISSN:1883650X)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.57-71, 2011-03
わが国の陸稲(おかぼ/りくとう) の文化史の考察の一つとして陸稲という作物名の別名(地方名/方言/俗語) について文献学的調査を行った。今日の陸稲という呼称に対して、中世以降多くの別名が全国各地で使用されてきた。江戸時代の陸稲の主な呼称には3種類あり、関東中心のオカボ系、九州中心のノイネ系そして北陸地方をはじめ全国的にハタケイネ系があった。近年に採録された陸稲の地方名(方言) には野稲・畑稲(畠稲)・岡穂・岡稲・旱稲・イギリス・けしね・とうぼし・はいもんなど多数の名称が確認できた。それらの地方名の背景には当該地の歴史などが深く刻み込まれているものがあった。