著者
脇田 哲郎
出版者
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)
雑誌
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 (ISSN:21860351)
巻号頁・発行日
no.10, pp.103-110, 2020-03-10

本研究は, 2019年3月と同年12月に訪問したエジプト国ルクソール地方とカイロ市,ハルガダ市の特別活動(以下,特活(TOKKATSU))を中心とする日本式学校 (以下,EJS(Egyptian Japanese Schools))で実施された特活セミナーと授業研究会,保護者セミナーから見えてくる導入の現状と課題を整理し,今後のEJSの在り方を探ってみようとするものである。ルクソールのEJSで行われた特活セミナーでは,マスタートレーナー(以下,MT)から,基本を押さえた指導を受けていることが分かった。ただ,学級会や学級指導の授業は教師主導型の授業が行われており授業改善の課題も見えてきた。また,カイロ市やハルガダ市のEJSでは,保護者を対象にした土曜授業やセミナーが開催され,EJSの良さを広く紹介しようとするEJSの努力も伺える。その結果,保護者にはEJSの教育的な効果が認識されてきている。現在,40校のEJSでの教育を一般の公立学校に広げていくには,教員の意識改革や公立学校への一般化などの課題も見えてきた。