著者
齋藤 文信 清野 誠喜 上田 賢悦
出版者
秋田県農林水産技術センター農業試験場
雑誌
秋田県農林水産技術センター農業試験場研究報告 (ISSN:18818757)
巻号頁・発行日
no.48, pp.79-86, 2008-03

エダマメ新品種の商品開発に際して、種苗会社における商品開発と農業試験場における商品開発を比較し、問題点を把握した。その問題点の解決にマーケティングの手法を活用することとした。具体的には、以下の点を実施した。(1)生産者を含めた関係者が連携するための体制整備。(2)店頭マーケティングリサーチ結果の関係者への提示。(3)店頭における販売促進活動の有効性の立証。(4)陳列方法の違いによる購入比率の変北を把握。(5)数量確保に向けた出荷体制の確立と新パッケージ導入支援。以上の取り組みと調査から、(1)開発者から生産者までの関係者で構成される現地推進協議会と県庁が連携し、「香り五葉」の普及拡大が図られた。(2)店頭マーケティングリサーチ実施により、「香り五葉」の販売される9月期のエダマメについて、産地と消費者の間にはギャップがあることが確認された。(3)そのギャップ解消には産地POPが有効であることが消費者購買行動調査によって確認された。(4)アイランド陳列が購入比率を高めることを確認した。(5)アイランド陳列の実施のためにロット確保の必要性を明らかにした。(6)グループインタビューにより消費者のエダマメパッケージに対するニーズを把握し、消費者ニーズに適合した新たなエダマメパッケージの作成支援を実施した。これらのことから、商品開発プロセスにマーケティング手法を活用することの有効性が確認された。