著者
国保 祥子
出版者
静岡県立大学経営情報学部
雑誌
経営と情報 = Review of Management and Information (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-15, 2019-12-27

我が国の女性管理職はまだまだ少ない。 女性管理職を育成する上での大きな課題は、 出産や育児のようなライフイベントとキャリアを両立しにくいということである。 育児休業制度や短時間勤務制度の普及で、 出産を経ても就業の継続はできるようになってきたが、 さらにキャリアアップを目指そうとする人はまだまだ少ない。 特に出産によって職場や家庭内での役割変化や働き方の変化に直面する育休期間の前後では、 多くの女性がキャリア上の揺らぎを経験する。 本稿では、 育休期間中に働き方や役割の移行に適応することを目的とした介入施策 (育休復職支援プログラム) によって、 職場への再適応がスムーズになるだけでなく、 管理職としての能力開発につながる可能性を示唆する。
著者
西野 勝明
出版者
静岡県立大学経営情報学部
雑誌
経営と情報 = Review of Management and Information (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.33-43, 2015-12-25

ヤマハ音楽教室は楽器産業の需要創造をもたらした画期的なソフトなイノベーションであるが、 その教育のコンセプト、 教育手法は、 バイオリニストの鈴木鎮一が開発した才能教育の手法 (スズキ・メソード) を概ね受け継いだものであった。 ヤマハは、 音楽教室を、 事業採算性を持ったビジネスモデルとして完成させ、 我が国のみならず、 世界にその普及を図った。 音楽教室は教育産業であり、 その需要の創造は、 補完財である楽器の需要を創造して楽器産業の成長をもたらした。 一方、 才能教育は世界で最初の幼児からの音楽教育手法として我が国から米国など海外にも広く普及した。