著者
西野 勝明 尹 大榮 岸 昭雄
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.63-81, 2009-03

本研究プロジェクト1の目的は、世界及び日本の優れた産業集積の発展経路を、「集積の環境変化(危機の状況一集積内の変化も含む)」、「変化への適応」、「適応を可能にした要因」の視点から分析し、そこから「産業集積の機能が果たした役割」を捉えることである。具体的には、内外のケース・スタディを取り上げ、その発展経路を動態的に分析する。そして、そこからこれからの地域政策への含意を抽出する。本論文は、2008年度に行った金沢、バーミンガム、ドルトムントの現地調査から、産業集積の発展経路を分析している。
著者
西野 勝明
出版者
静岡県立大学経営情報学部
雑誌
経営と情報 = Review of Management and Information (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.33-43, 2015-12-25

ヤマハ音楽教室は楽器産業の需要創造をもたらした画期的なソフトなイノベーションであるが、 その教育のコンセプト、 教育手法は、 バイオリニストの鈴木鎮一が開発した才能教育の手法 (スズキ・メソード) を概ね受け継いだものであった。 ヤマハは、 音楽教室を、 事業採算性を持ったビジネスモデルとして完成させ、 我が国のみならず、 世界にその普及を図った。 音楽教室は教育産業であり、 その需要の創造は、 補完財である楽器の需要を創造して楽器産業の成長をもたらした。 一方、 才能教育は世界で最初の幼児からの音楽教育手法として我が国から米国など海外にも広く普及した。
著者
西野 勝明
出版者
静岡県立大学経営情報学部
雑誌
経営と情報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-41, 2010-12

本研究は、様々な環境変化に対して的確な適応を行い、継続的発展を実現している香港の産業集積について、第二次世界大戦後の政治的、経済的、社会的に厳しい環境変化に対してどのような適応が為されたかを分析するものである。香港の事例からは、その適応能力は民間企業の柔軟な適応能力が主体であったものの、香港政府の果たしてきた役割は決して無視し得るものではなく、むしろ、短期的な危機への対応や長期的な発展基盤の整備には重要な役割を果たしてきた。そして、現在、進行している環境変化は、香港にとって従来以上に厳しいものであり、それへの適応に当たっては、政府の果たすべき役割は益々重要になっている。\\nThis study aims to analyze the process of the industrial cluster of Hong Kong to have overcome a variety of crises caused by the political and economic environmental changes after the World War 11. Even though the private sector has played the leading part for the cluster to survive the crises, the Hong Kong government has implemented he important role. In case of the short term crises and the building the infrastructure for the long term development of the cluster, the duty of the government is especially critical. Today's environmental changes impose serious problems on the cluster of Hong Kong, and the role of the government becomes more important than ever to solve them.