著者
柴田 高
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2009年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.69, 2009 (Released:2009-12-21)

組織文化は,経営哲学や理念を長年にわたって根づかせ,土壌のようにつくりあげていくものであり,知らず知らずのうちに組織のメンバーの行動を規制していくため,組織活性化や事業変革の原動力とも,障害ともなり得る。本報告では、旭山動物園の組織活性化をもとに,「成長の物語」が組織文化の変革に対して大きな影響力を発揮することを分析する。旭山動物園の魅力は動物の生態を迫力ある姿で見せる方法をコンセプト化した「行動展示」の技術にあると言われる。しかし、同様の施策をとり技術移転を試みる観光地は多いものの、第2の旭山動物園と呼ぶべき成功例は未だみられない。その理由は、顧客が「成長の物語」に共感・共鳴し、その感情移入と疑似体験をするには、現地でなければならないからである。本研究では、越境→危機→成長→勝利という「成長の物語」が組織活性化を促し、さらに顧客を自己組織化することを事例の分析を通じて明らかにする。
著者
崔 英靖
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2009年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2009 (Released:2009-12-21)

筆者らの研究グループは携帯電話を活用して「いつでも・どこでも」情報を収集・配布できる教育支援システムを開発・運用しているが,このシステムを転用しての肥満学生を対象としたオンラインダイエットサービスの実験を行った.システム自体はほぼ同じものであるが,その利用目的の違いゆえ,モチベーションの低下が問題となった.オンラインダイエットサービスの改善のためには,新しい要素を追加する必要がある. 本研究では,日本とアメリカのオンラインダイエットサービスの比較を通じて,新たに追加されるべき要素について検討する.KSFのひとつはカスタマイズであり,二つのアプローチがある.ひとつは「コンピュータ志向」であり,サービスの規模を拡大することが容易であるがカスタマイズの精度は限られたものとなる.もうひとつは「人間志向」であり,よりカスタマイズされたサービスを提供することができるが人件費の上昇を伴う.
著者
荒井 恵佑 角埜 恭央
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2009年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.74, 2009 (Released:2009-12-21)

本稿の目的は、Jリーグの収益構造を理解し高収益ビジネスモデルの仮説を構築することである。そのため、広告料収入、入場料収入、Jリーグ配分金などの収入、および人件費、リーグ運営費、一般管理費などの支出といった収益構造に関するデータ分析だけでなく、スター選手の数、得失点差、リーグ戦の順位などの情報についても分析する。分析の結果、近年好業績の浦和レッズは、継続的な戦績とファンサービスに基づいて、観客動員数の増加へとつなげる好循環を実現していることが分かった。一方、資金難に直面する地域クラブのなかにも、大分トリニータのようにポテンシャルのある若手選手を育成し移籍させることによってビッグクラブへのステップを模索しているケースも見つかった。