著者
橋本 幸子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊消誌 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.714-730, 2002

青年期カップルの服装傾向を規定する要因を検討するために, 2001年9月~10月に関西, 中部圏の大学生, 専門学校生を対象に質問紙調査を行った.予備調査を通して分類された服装4タイプの着用程度によって, 恋人関係にある71カップルを「服装類似カップル」「服装非類似カップル」に分類した.それらに関してステップワイズ方式の重判別分析を用い, 親密性, 衣生活スタイル, 恋愛スタイル, 役割分担行動によって予測した結果, Pragma, Storge (共に女性) , Mania (男性) , 男性的役割行動 (女性) , 『規範性』 (男性) , 男性的役割行動 (男性) , 『社会性・実用性』 (女性) が判別に寄与していた.判別分析の結果, 女性のPragma, Storgeタイプ, 男性, 女性の男性的役割行動の高さは服装の非類似傾向と, 男性のManiaタイプ, 男性の『規範性』, 女性の『社会性・実用性』の高さは服装の類似傾向との関連が示唆された.
著者
高野 富士子 和家 多津代 伊藤 道子 時光 明美 高橋 睦子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊消誌 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.11, no.12, pp.606-610, 1970

市販2社のPP加工とSR加工婦人ブラウス20枚 (ポリエステル65%, 綿35%混紡) を購入し, 8名の着用実験者が, 2日間ずつ交互に均等着用し, 30回の洗たく, 乾燥の繰返しを行い, 長期着用テストによる収縮率, 汚れ率は機器による定量測定をし, 表面外観上の変化 (白度, しわ, 型くずれ, 毛羽立ち) は, Scheffeの一対比較法による官能検査をし, その両面から検討を行った.<BR>その結果, 機器を用いた定量測定においては, 両加工の差が認められ, 特に汚れ率においてはSR効果があらわれ, 汚れ率が少なかったが, 肉眼判定による一対比較法では, 両加工の差がほとんどみとめられなかった.<BR>これらの結果は, 肉眼判定では汚染による灰色化よりも, けい光増白剤の効果 (による白度の増加) が大きかったためであり, 反射率測定では, これと反対に汚染の効果だけが測定されたためと考えられる.
著者
髙橋 広行 豊田 尚吾
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊消誌 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1044-1052, 2012

<p>本研究は,震災復興支援,貧困支援,環境保護などの倫理的消費商品の購買と消費者の心理的側面との関係性をつまびらかにすることにある.具体的なアプローチは,倫理的消費商品の購買状況と価値観や社会的規範との関連性について,性・世代・地域の違いを踏まえ,アンケートデータの分析を通じて明らかにするものである.分析には,大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所が2012年2月に,20代から60代の男女5000人に対して行ったアンケート調査データを用いた.分析の結果,倫理的消費商品の購入には,消費者個人の価値観とともに社会的規範が大きく影響すること,特に,高年者世代ほど倫理的消費に対する意識が強いことがわかった.従来のマーケティング戦略において見落としてきた「規範」という概念の重要性,および,今後の主なターゲット層となりうる女性の高年者世代が倫理的消費に大きく関連するという点を明らかにしたことが本研究の貢献である.</p>
著者
富田明美
雑誌
繊消誌
巻号頁・発行日
vol.30, pp.133-141, 1989
被引用文献数
3