- 著者
-
髙橋 広行
- 出版者
- 日本マーケティング学会
- 雑誌
- マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.53-61, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
- 参考文献数
- 26
近年,実務でも研究面でも,カスタマー・ブランド・エンゲージメントの注目が高まりつつある。そこで,本研究の目的は,カスタマー・ブランド・エンゲージメントを認知的・感情的・行動的な3要素のサブセットで測定し,ブランド評価や満足度,ロイヤルティとともに,購買履歴データを同時に分析する包括モデルを通じて,エンゲージメントの位置付けとともに,購買行動との関係を明らかにすることである。服飾雑貨SPAブランドの顧客に対して行なった質問票調査と顧客の購買履歴データを統合し,構造方程式モデルで分析を行った。その結果,エンゲージメントは,満足度とロイヤルティを経由し,購買行動の「顧客期間」,「購買金額」,「購買回数」と正の関係にあることがわかった。一方,エンゲージメントから購買行動への直接のパスは負の関係であったことから,エンゲージメントは満足度とロイヤルティを経由しなければ,購買行動には至らないことも同時に明らかにした。