著者
山木 薫
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.7, no.8, pp.533-536, 1954

<B>研究目的</B><BR>フライヤの脚の先が糸により磨耗されるため, その磨耗機構を解析し, これと前報の実験とを比較し, 合せて実験に対する裏付けをすることが目的である.<BR><B>研究結果</B><BR>(1) フライヤの脚の先を通る糸の横方向 (ボビンとフライヤの先の中心を結ぶ線よりずれる方向) の移動を計算し, その角速度は<BR>dθ/dt=1/√4r2-R2A/R (B-2Rtanα) <BR>但しA=lb2/2π, B=L+2ptanαで表わされる.<BR>(2) (1) の角速度最小のところは線輪とボビンとの中心線より40°のところである.実験の最大磨耗の場所は33°と36°とであった.これはバルーニングにもよるが, 糸が最低角速度にならないまでにフライヤの一部を引掻いて凹所を作り, そこのみ磨耗させるからである.<BR>(3) 磨耗個所は45°以上には先ずあり得ない.これは実験と計算とから判断される.