著者
藤田 正
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.14, no.7, pp.513-517, 1961-07-01 (Released:2010-06-17)
参考文献数
7

目的織方図における組織, ヘルド通し, 踏み順, ならびに釣順の記号を行列であらわし, それらの相互関係を行列の乗法によって求めた.成果意匠紙に記入された織方図の記号を尤素とよる行列をつくり, 行列の乗法によって織方図における組織, ヘルド通し, 踏み順および釣順の関係を明らかにし, 織方図のあらわす意義を数学的に説明すると共に, 織方図の作製を簡単明瞭にした.
著者
青木 邦夫 青木 朗 谷本 徳一 有田 昇
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.546-551, 1957

研究目的ノンリント含有量多き原綿処理を対象とし, 連続したカーディングアクションにより, 開綿除塵能力を効果的に増大し, 混打綿工程の短縮と次工程の負荷を軽減し品質を向上せしめる機構を得ようとした.研究結果連続したカーディングアクションにより高度の開綿を行うためにスパイクシリンダ (またはソーティースワイヤシリンダ) を使用し, 開綿むらを防止するために特殊形状のペダルおよびガーネットローラを用いた.また, シリンダ下方の空気を安定せしめてノンリントの分離除去を良くし, かつ, スパイクにかかる綿房の針先よりの分離を確実にするため, シリンダ, ケージ間においてシリンダの切線方向にケージファンの吸気を入れ, 上記目的に適切な機講を得た.
著者
豊田 幸吉郎 荒木 英仁郎
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.114-119, 1951

研究目的1.フライヤーのバランスを数式により解明する。2.その理論を適用したフライヤーの長所、短所を全て検討する。3.理論によつて新型フライヤーを試作し、上記を確認して発表する。研究結果1.本理論を適用したフライヤーは欠点がなく下記の長所を有す。2.振動を全く生じない。随つて粗紡機の全フライヤーを同一方向に装備し得てドブイングに便である。特にラ_ジパツケイジの軍列フライヤー粗紡機には必要である。又軸受その他に対する振動による害を著しく減少し得る。3.プレツサーは圧力を及ぼさす粗糸張力と風圧によりボビン暦に接して回転する。無圧力に原因する粗糸の喰込みはなく、又捲取量の減少もない。反つて從來のプレツサーの加圧の変動によるゲレン斑及び加圧による粗糸捲面への有害摩擦等をなくする利点を有す。4.製作誤差によるアンバランスの力が相対する2方向に出るので、多数を用いる粗紡機においては互に打治す作用となる故、製作誤差許容範囲を大きくとり得る。5.プレツサーはそれ自体のみでバランス試験し得る故、製作工程も簡明になり且検査も著しく樂であり、プレツサーの互換性上も有利である。
著者
新津 靖 倉橋 明次
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.201-208, 1952

研究目的前報で述べた設計理論により、調節ノズル挿入型ダクトを設計し、試作実験を行い、理論と実際の比較、ニューマニーズ・ダクトとしての適否、実用上考慮すべき問題について検討しようとした。研究結果1. ノズル調節ダクトの理論と実際はよく一致し、吸取り圧力は任意の強さの処で均一に分布する。2. 調節ノズルの圧力均一化に対する効果は顕著であり、この設計方式は第3報、第13節で述べたような各種の集合分配管路系に適甫し得ることが実証された。3. 謁節ノズルの存在はフリー・ス流通に対し障害とはならない。4. 量琵に適する円錐形ノズルの提唱と抵抗係数の決定。5. ダクト端のフリース沈積に対する考慮と限界風速の測定。6. 調節ノズルなしダクトも、ニユーマニーズ・ダクトとして実用上葦支えなぐ・構造・工作最も簡易となる。7. シングル・ダクト形式の提唱。
著者
渡辺 茂 服部 匡宏 井筒 正夫
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.139-144, 1952

研究目的ビスコース・ギャ・ポンプの吐出量試験を行い、その部品を精密測定して適正間隙を推定し、同時に、インボリユートギャの呈する閉込容積、吐出量弧動を理論的に解析したものである。研究結果 (1) ピスコース・ギャ・ポンプの吐出量曲線にいろいろの性質があることを再確認した。 (2) 吐出量の歯型特性による脈動の式を導いた。 (3) 逃溝の位置により吐出量は約3%も変ることが理論的に説明できる。 (4) 吸入側圧力や吐出側圧力の変化によつて、歯車がギャケースに押しっけられる位置が変り歯車の中心距離が変化する場含には、吐出量も変化する。 (5) 閉込容積はギャのデデンダムを大にすることにより、その変動を押えることができるから、逃溝はなくても気泡発生は押えることができる。 (6) ビスコース・ギャ。ポンプに最高性能を与えるには、ギャの軸の回りの間隙を小にして (ギャケース孔径) - (ギャ外径) =10μ 以下、 (ギャケース厚さ) 一 (ギヤ厚さ) =10μ 以下であることが望ましい。
著者
通地 信義
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.187-191, 1952

研究目的粗紡機高速化を目標として、鋳造スキウギヤに比べ、噛合円滑で騒音少く折損等の憂いのないものゝ多量生産的新製法―熱間転造― を提示し、これによつて得た製品を鋳造品と比較した。研究結果試作した熱間転造機により、モヂウル2.25、歯数23の直歯傘歯車を相手とする歯数57、オフセット26mmの標準大の粗紡機スキウギヤを、0.2%Cの鋼を材料として転造し、これと機械切り小歯車より成る一対の噛合を、新しく設計したスキウギヤ噛合詞験機により、鋳造スキウギヤ (Dobson&Barrow社及び本邦I社製) と比較した。 (1) 転造開始約850℃, 終り約400℃;圧縮圧力は高温域で約500kg, 低温域で約700kg;素材の回転92r.p.m.で転造時間は約4分であつた。 (2) 作用歯面は滑かでスケールによる荒れは殆んど見受けられなかつた。 (第4図矢印の面) (3) 小歯車が3400r.pm・程度となるまで回転を上げ騒音比較試験を行つたが、前記鋳造の組に比し甚しく静粛であつた。 (4) 噛合試験の結果は本法に成るものが優れた噛合を持つことを明かに示した。 (第9, 10, 11図)
著者
鴨川 寿
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.543-546, 1955

研究目的力織機の下打式の杼投運動に関する従来より, より実測値と一致する解析式を求めるため, ピッヤングステッキ並びにサイドレバをばね並びにその先端の集中質量に置換してラプラス変換を用いて計算した.研究結果シヤットルの運動, レバ並びにステッキの先端の撓み, サイドレバステッキキヤップ間の力等が計算され, またシヤットルの運動については実測とよく一致することが確められた.
著者
末松 宗雄
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.11, no.8, pp.553-557, 1958-08-01 (Released:2009-10-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1

研究目的糸の粘弾性体として波動方程式より動粘性係数, 弾性係数の張力および撚数に対する変化を実験的に求めた.研究結果糸へ縦波の進行波を加えて進行波の速度と減衰率より動的粘性係数および弾性係数を求めて(1) 進行波の速度は張力により大きくなる.(2) 進行波の減衰率は張力により小さくなる.(3) 生糸においては張力速度曲線, 張力減衰率曲線は撚数に岡係なく相似の曲線である.という結果を得た.
著者
辻本 石雄 元治 信雄
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.250-256, 1954

研究目的無緊張状態のアミランを各種温度について乾熱処埋後水中急冷, 空中放冷, 炉中徐冷の冷却速度の変化による基礎的繊維の挙動を明確にし, 使用目的に適した熱処理加工条件を選択するにある.研究結果本実験の範囲内において次の諸事項が考察された1 熱処理後の負荷による流伸試料において処理温度上昇と共に粘弾性伸長は漸次大きく, 高偏ては若干減少傾向を示し, 且つ除荷の際の伸長回復率はほほ処理温度上昇と共に漸次減少し, 冷却速度による影響は粘弾性伸長においては速度大なる程大きく, 伸長回復率においてはその逆現象を示す.2.熱収縮率は処理温度上昇と共に漸増的傾向を示し, 高温ては若干急激な収縮を示し, 水冷>室冷>炉冷となる.3 破壊強度は処理温度上昇と共に未熱処理の場合より強く, 高温ては急激な滅少傾向を示すか.破壊伸度においても大きくなり, 冷却速度が遅い程両者とも大きい.4 処理温度40~60℃及び160℃附近において性能変化に特異現象を示し, それぞれの温度域において一つの転移域を示す5 X線による繊維構造は熱処理により結晶化乃至無定形化状態を示し, 吸湿性は結晶配列度のみては説明されないようてある.
著者
吉村 元一
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.445-449, 1954-07-01 (Released:2009-10-27)
参考文献数
1

研究目的織物はその製織時に経糸と緯糸とに適当な張力がかかっており, ある内力を持った状態で交錯されて, 始めて地合つよい織物になるのであって, 無張力状態で交錯されていたり, 一方のみが過度に緊張された状態ではこの交錯状態が片寄ったものになる.これらの関係を製織中の糸張力を変化させて, 織物の断面の写真を撮って調べて見てその類型, 分類等の考察をした.研究結果経糸, 緯糸の張力の大きさ及び糸の弾性伸びによって三つの類型になる.
著者
山木 薫
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械學會誌 (ISSN:18838715)
巻号頁・発行日
vol.7, no.8, pp.533-536, 1954

<B>研究目的</B><BR>フライヤの脚の先が糸により磨耗されるため, その磨耗機構を解析し, これと前報の実験とを比較し, 合せて実験に対する裏付けをすることが目的である.<BR><B>研究結果</B><BR>(1) フライヤの脚の先を通る糸の横方向 (ボビンとフライヤの先の中心を結ぶ線よりずれる方向) の移動を計算し, その角速度は<BR>dθ/dt=1/√4r2-R2A/R (B-2Rtanα) <BR>但しA=lb2/2π, B=L+2ptanαで表わされる.<BR>(2) (1) の角速度最小のところは線輪とボビンとの中心線より40°のところである.実験の最大磨耗の場所は33°と36°とであった.これはバルーニングにもよるが, 糸が最低角速度にならないまでにフライヤの一部を引掻いて凹所を作り, そこのみ磨耗させるからである.<BR>(3) 磨耗個所は45°以上には先ずあり得ない.これは実験と計算とから判断される.