著者
北村 勝朗 永山 貴洋 齊藤 茂
出版者
近畿大学豊岡短期大学
雑誌
近畿大学豊岡短期大学論集 (ISSN:13498983)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.89-98, 2005-12-20

本稿の目的は、認知的不協和(cognitive incongruity)の視点から、スポーツ、音楽、および科学等、創造的な活動領域における熟達化過程を再考することにある。データ収集は深層的、自由回答的、半構造的インタビューにより行なわれた。データ分析は、質的分析法(qualitative data analysis)により階層的カテゴリー化が行なわれた。分析の結果、創造的活動領域における熟達化は、「気づき」、「試行と検証」、「わかる」、及び「高度化」の4つのカテゴリーによって構成されていることが明らかとなった。その中で、認知的不協和は、対象者の熟達化の循環に大きな影響を与えていることが示唆された。