著者
今田 成雄
出版者
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究集報 (ISSN:13490702)
巻号頁・発行日
no.3, pp.61-66, 2006-03

国産イチゴが端境期となる夏秋期に,冷涼な東北地域の気候を活用して安全で高品質なイチゴを生産するための技術開発に取り組んでいる.夏秋どりイチゴ栽培の新技術として,簡易な短日処理装置を用いた9~11月どり栽培,越年株を利用した7・8月どり栽培,さらに,四季成り性品種の利用がある.これらの技術について,青森県八戸市,岩手県盛岡市,宮城県気仙沼市,秋田県湯沢市において現地実証試験を進めている.実需者のニーズは,M,Lサイズが好まれるなど,生食用のニーズとは若干異なる.夏秋どりのイチゴは主として業務用となるため,新技術の普及・定着を図るには,従来の生食用の場合と異なる新たな流通形態を考えていく必要がある.