著者
今田 成雄
出版者
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究集報 (ISSN:13490702)
巻号頁・発行日
no.3, pp.61-66, 2006-03

国産イチゴが端境期となる夏秋期に,冷涼な東北地域の気候を活用して安全で高品質なイチゴを生産するための技術開発に取り組んでいる.夏秋どりイチゴ栽培の新技術として,簡易な短日処理装置を用いた9~11月どり栽培,越年株を利用した7・8月どり栽培,さらに,四季成り性品種の利用がある.これらの技術について,青森県八戸市,岩手県盛岡市,宮城県気仙沼市,秋田県湯沢市において現地実証試験を進めている.実需者のニーズは,M,Lサイズが好まれるなど,生食用のニーズとは若干異なる.夏秋どりのイチゴは主として業務用となるため,新技術の普及・定着を図るには,従来の生食用の場合と異なる新たな流通形態を考えていく必要がある.
著者
山口 優一
出版者
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所
巻号頁・発行日
no.3, pp.129-134, 2006 (Released:2011-03-05)

日本茶は伝統飲料であり,その生産・流通形態に他の加工食品と異なる特徴を有することから,比較的古くから官能検査法やそこで用いる審査用語が整備されている.茶の審査は,外観,香気,水色,渋味の4項目についておこなわれ,それぞれに審査用語が定められている.審査用語の多くは欠点項目を示すものであり,審査では欠点項目に基づき減点法で付点される.茶の客観的な品質評価方法としては,近赤外によるアミノ酸含量,タンニン含量の測定などが実用化されている.ただし,茶の滋味・香気と化学成分組成との関係についてはまだ不明な点が多いのが現状である.