著者
島田 静雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
電算機利用に関するシンポジュウム講演集 (ISSN:09134018)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.45-52, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
2

幾何学は本質的に代数学とは異なった数学であって、人間の感覚に訴えて理解することが極めて多い。幾何学的性質をコンピューターで処理させようとすると、座標系の定義や種々の約束事を定めて計算に乗せるのであるが、解が一つとは限らないし、解の性質それぞれに幾何学的な意味を伴う。我々が幾何の命題を言葉 (言語) で表現することを、コンピューターも解読して必要な処理流を施すようなプログラム言語をGEOMETORYと呼ぶことにした。例えば、「2点A, Bを結ぶ直線と、C, Dを結ぶ直線との交点Eを求める。」という命題を記述するとき L1=A@B: L2 =C@D: E=L1&L2, または一行で E= (A@B)&(C@D) のように書いてみようというのである。このような表現を可能とする言語の開発は、コンパイラーを開発することと同じである。この場合、データのタイプとして実数型、整数型という考えを拡張して、ベクトル、直線、平面、マトリックスなども含めることが必要になる。代入則や演算則は当然のことながら代数計算とは異なった定義とした。