著者
岩本 直樹
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育研究 (ISSN:13490001)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.101-112, 2007-03
被引用文献数
1

新任採用、昇進、大学、研究所組織内部の教員、研究者、研究グループの生産性の評価等において学術論文リストは研究業績を評価するための基礎資料として不可欠である。中でも、学術論文リストの中の「論文数」は一目瞭然で、分かりやすい具体的数字であるため、しばしば「生産性」の指標とされがちである。本稿ではWeb of Science^^<[○!R]>の中のScience Citation Index Expanded^<TM>を使い、論文の被引用回数を質の評価の基準に取り、サンプル集団について分析を行った。その結果、Web of Science^<[○!R]>に採択されているようなある一定の基準を満たした「世界で最も権威と影響力のある高品質な学術雑誌」に掲載された論文と言えども、「論文数」は論文の質とは全く関係がない場合が多くあることがわかった。引用回数を使うに当たっての注意すべき点、研究者個人の評価と、その個人が属する研究グループ、組織の評価との関係、特に共著論文の取り扱い等における問題点等を議論する。
著者
Willey Ian
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育研究 (ISSN:13490001)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-42, 2008-03

日本の大学で英語教育に携わる外国人の多くは,大学生が取り組んでいる日本語による課題について充分な知識を持っていない。「課題レポート」はそのひとつである。著者は「英語の書き方」と「日本語の書き方」に関する研究,偏見,および経時的変化について言及した。現在日本語で出版されているレポートの書き方に関する文献からのアドバイスについても触れた。さらに大学生を対象に課題レポートの課し方や学生の取り組み方等を明らかにするために行ったアンケート結果を報告した。対象は4学部の2年生(123人)。アンケート内容は,評価基準の説明はあるか,資料収集は必要とされるか,学生がレポートの書き方について指導を受けたか等。その結果,学生の多くはレポートの返却をされておらず,半数以上は大学で指導を全く受けていなかった。しかし,指導を受けたことのある学生はアメリカの学生と同じように様々なアドバイス(引用する方法,段落の組み立て方等)を受けていたことがわかった。以上のことから,1年生のために日本語によるWriting授業やセミナー,あるいはWriting支援センターの必要性を示した。