著者
淺海 真弓
出版者
鹿児島県立短期大学
雑誌
鹿児島県立短期大学紀要.自然科学篇 = Bulletin of Kagoshima Prefectural College. Natural sciences (ISSN:02861208)
巻号頁・発行日
no.68, pp.1-11, 2017-12-28

アボカドの種子から色素を抽出した染色液を作製し,素材の異なる6 種類の白布の染色を行った。それぞれの染色布の色彩的特徴を定量的に把握するために,画像解析の手法により色彩情報量を算出した。その結果,アボカド種子染色布の色相は黄みの橙〜赤みの黄色の領域にあり,暖色系の色相に染まることがわかった。絹,羊毛,ナイロンのペプチド結合をもつ繊維で濃色に染まることが確認された。クエン酸と重曹による媒染を行い,重曹媒染の方が濃く染めることができるが,不均一な染まり方をしていることが推察された。これらの結果から,廃棄されるアボカド種子を用いた草木染めの教材としての可能性についても検討された。