著者
Tetsuo KIMURA Naoki MUGURUMA Tatsuzo ITAGAKI Yoshitaka IMOTO Masako KAJI Hiroshi MIYAMOTO Seisuke OKAMURA Tetsuji TAKAYAMA Jouji SHUNTOU
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1448-1454, 2008-06-20 (Released:2011-05-09)

症例は63歳,男性.つるし柿6個を一度に食べた後に,腹痛・嘔吐が出現し近医を受診した.上部消化管内視鏡検査にて6cm大の胃石を認めた.柿胃石と判断し,近年の報告を参考にコカ・コーラの経口摂取や内視鏡下にERCP力ニューレを用いて直接散布などを行ったところ,数個の破片に崩壊,消失する経過が内視鏡的に観察された.本疾患に対するコカ・コーラによる溶解療法は安全かつ簡便で,医療経済的にも有用な方法であると考えられた.
著者
Osamu KAWAMURA Takeshi SAWADA Takeshi HARA Tatsuki KODAMA Haruto SANADA Seiko SIMAZAKI Mitsuya MUGIKURA Yasuyuki NISHIDA Hiroyasu OHHARA Kazuhiko MATSUSHITA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1019-1022, 2002-06-20 (Released:2011-05-09)

症例は45歳の男性で,肛門からアルコール濃度35%の焼酎を注入したところ下.血を生じ,当院へ入院した.大腸鏡検査では,肛門からS状結腸下部まで連続性に潰瘍,びらん,発赤,浮腫が見られた.病変部と健常粘膜との境界は明瞭であった.組織像では表層にちかづくほど粘膜の著しい壊死,脱落が見られ,腺管構造の破壊,血管の破綻による出血,滲出が見られた.アルコール注腸による直腸結腸炎は極めてまれであり貴重な症例である.
著者
Shozo FUJIWARA Hiroshi SATOH Takuya NOGUCHI Hitoshi NAGATO Hideaki OZAKI Ryuichi KIKUCHI Tsuyoshi NOGUCHI Yuzo UCHIDA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.146-150, 2002-02-20 (Released:2011-05-09)

症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.
著者
Masanori TANAKA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.2267-2276, 2006-09-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
0 or 1

大腸には特発性炎症件腸疾患(IBD)とそれ以外の多種多様な腸炎(non-IBD)がある.生検診断はこれらの疾患の鑑別に有用であるが,特異的所見を欠くものが多いために難易度が高い.この問題の解決に向けた研究が多変量解析を用いて行われ,Crohn病(CD),潰瘍性大腸炎(UC),non-IBDの3者を鑑別する生検診断基準がいくつか報告されている.最近発表された診断基準の感度・特異度は,96%・97%(IBD vs non-IBD)および92%以上・94%以上(CDvsUC)と高く,臨床応用できるレベルである.これらの診断基準を組み入れた診断アルゴリズムを用いることにより,活動期・急性期の大腸炎を系統的手順で診断することができる.UC患者については,ステロイド抵抗性・依存性を予測する生検診断基準も報告されている.しかし,切除標本を病理学的に検討してもCDともUCとも確定診断できないindeterminate colitis(IC)症例が3~10%は存在する.診断の時期と方法が施設により異なるため,CDあるいはUCへの診断変更率にはバラツキがあるが,ICとして手術された症例のうち少なくとも20%前後はCDであることでは一致している.
著者
Shigekazu HAYASHI Takayoshi KANBE Wataru HONDA Masaki SASAKI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.2345-2352, 2005-10-20 (Released:2011-05-09)

急性感染性腸炎の内視鏡診断の古くは細菌性赤痢を中心に直腸鏡を用いて行なわれ,S状結腸鏡の時代を経て現在の全大腸内視鏡へと観察範囲が広がるにつれて新知見が加わり,またカンピロバクター腸炎や腸管出血性大腸菌(O157)腸炎など新しい疾患も出現し,その意義や重要性が認められるようになってきた.急性感染性腸炎はしばしば血便を伴うことから,鑑別診断上便の細菌培養結果を待たずに大腸内視鏡検査がなされるが,カンピロバクター腸炎ではバウヒン弁上の潰瘍,腸炎ビブリオ腸炎ではバウヒン弁の腫大,びらん,終末回腸のびらん,腸管出血性大腸菌腸炎では深部大腸程高度な虚血性病変など,病変部位と内視鏡像の特徴から起因菌の推定も可能である.迅速な治療のみならず,スコープの洗浄,消毒など二次感染防止という点でも急性感染性腸炎の内視鏡所見を熟知しておくことは大腸内視鏡施行にあたって極めて重要である.
著者
Osamu MOTOHASHI Kentaro OHBA Hideya SANO Seiichi TAKAGI Atsushi KIYOHASHI Katsunori SAIGENJI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2840-2847, 1996-12-20 (Released:2011-05-09)

内視鏡的粘膜結紮術を併用した胃粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection using a Ligating device; EMRL)による分割切除の確実な手技確立と,病変粘膜完全切除の確認に必要な切除粘膜再構築のための手技開発のために,5匹の雑種成犬を用いて基礎実験を施行した.直径20mmの粘膜切除法としては,EVL(Endoscopic Variceal Ligation)の外筒辺縁を手前と左右いずれかの側方(左右いずれかの斜め前方)のマークに重なるように合わせて第1回目の吸引・結紮・切除をして,3回で切除する方法が最も効果的で確実な分割切除法であり,切除面の深度は,分割切除の境界においても粘膜下層(sm3)まで達していた.また,結紮後のクリッピングは,分割切除粘膜の再構築に非常に有効であった.内視鏡的粘膜切除術による分割切除法として,クリッピングを使用したEMRLは簡便かつ確実に施行できる手技と思われた.
著者
Naomi KAKUSHIMA Naohisa YAHAGI Mitsuhiro FUJISHIRO Mikitaka IGUCHI Masashi OKA Katsuya KOBAYASHI Takuhei HASHIMOTO Masao OMATA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1266-1271, 2005-06-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
1 or 0

【背景と目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の登場により,従来では考えられなかった大型病変も内視鏡的に治療されるようになってきた.しかし,ESDによって生じた大型人工潰瘍の治癒過程についての詳細は明らでかはない.そこで,ESD後の治癒過程を明らかにするため,経時的な内視鏡像の検討を行った.【方法】当科においてESDによって治療された胃粘膜内腫瘍70症例を対象として,ESD後潰瘍の治癒過程および瘢痕形態を,切除サイズ,部位,胃壁の断面区分別に検討した.内視鏡観察は,原則としてESD後1,4,8,12週目に行い,抗潰瘍治療として,プロトンポンプ阻害薬(PPI)及びスクラルファート通常量を投与した.【結果】ESDの切除サイズは平均34.7mm(20.0~90.0mm)であった.ESD後潰瘍は切除サイズや部位・周在によらず,全例において8週までにS1-2stageに治癒・瘢痕化した.【結論】ESD後潰瘍は大型のものでも,消化性潰瘍と同様の治療で術後8週以内に治癒・瘢痕化する.これらは,ESD後のフォローアップや治療計画の立案に非常に有用な知見と考えられた.
著者
Kazuto IKEZAWA Hiromasa KASHIMURA Yasushi MIYO Akira NAKAHARA Susumu YAMAGATA Yasushi MATSUZAKI Hiroshi MUTO Hisayuki FUKUTOMI Toshiaki OSUGA Kazuo ORII Takashi FUKAO Masanori KIKUCHI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.1019-1027, 1995-05-20 (Released:2011-05-09)

症例は41歳女性.29歳より計5回の甲状腺乳頭癌の手術歴があり,1992年7月腹痛のため当科を受診した.下部消化管精査の結果大腸全域にびまん性の腺腫性ポリープが密生し,また,横行結腸に全周性の内腔狭窄を併う2'型大腸癌,S状結腸に1'型大腸癌,下行結腸にIsp'型大腸癌を認めた.胸部X線,肺CTにて3カ所に小結節陰影が認められ,大腸癌及び甲状腺乳頭癌の肺転移を伴った家族性大腸腺腫症と診断し,全結腸切除回腸直腸吻合術及び肺部分切除術を施行した.家族性大腸腺腫症は放置すればほぼ100%大腸癌に罹患することが知られているが,甲状腺乳頭癌を重複した報告は稀であり,文献的考察を加えて報告した.
著者
Shigeru Suzuki Hiroyoshi Suzuki Kazuki Yamada Koji Gocho Katsuko Yamashita Mitsuo Endo Tadayoshi Takemoto
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
Gastroenterological Endoscopy (ISSN:18845711)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.70-77, 1972-04-01 (Released:2010-06-28)

An endoscopic atrophic border at the lower portion of the stomach has been recognized and proved as a bounpary between the pyloric and fundic gland territories. And this also means histologically atrophy of the pyloric gland and non-atrophy of the fundic gland. But the study of sucha border in the cardiac portion has not yet been known well enough. In this report, the existence of sucha border in the cardiac portion was confirmed endo scopically by the use of Congo red method and investigated histologically by biopsy.Method After washing of the gastric mucosa with 5% sodium bicarbonate, 50cc of 0.3% Congo red solution was supplied into the stomach and 50mg of Histalog was injected intramuscularly. Then Fibergastroscope was inserted to observe a discoloring reaction at the gastric cardia and to perform biopsy under direct vision.Results By the discoloration of Congo red, a black colored zone was distinguished from a red zone, and a boundary became manifest endoscopically between them around the esophagogastric junction in all 39 cases. The patterns of this border were classified into 4 types (I-IV). Histological changes of the both sides across this border showed atrophic and inflammatory changes at the red zone, and normal mucosa at the black colored zone both in the fundic gland territory. The number of parietal cells were remarkably decreased at the red zone. So it seems to us that this border is also the boundary between atrophy and non-atrophy, but this is by no means the meaning of boundary between fundic and cardiac glands.
著者
Hiroko MATSUDA Rieko OHTSUKA Gou ITOH Ikuo OGAWA Yutaka SATOH Michiharu TAKIHARA Hiromu KAJI Hiroto SAKOTA Hiroshi TAKEMOTO Yoshinori MATSUNAGA Akio MORI Yoshi YAMAOKA Kiyoshi INOUE
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.2287-2292, 1985-11-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
0 or 2

胃内視鏡検査施行時に1,129例の胃液を採取してpH値を測定し,内視鏡所見との関係を検討した. 内視鏡的に無所見であった353例におけるpH値の分布は,年齢が高くなるにつれて高pH領域へと偏り,加齢による影響を示したが,性別による差異は認められなかった. 胃潰瘍225例のpH値分布は無所見群のpH値分布と類似していたが,十二指腸潰瘍160例は無所見群や胃潰瘍群よりも低pH値領域に偏った分布を示し,この傾向は高齢者においてなお著明であった. 胃潰瘍および十二指腸潰瘍において,病変が活動期である時は胃液はより低pH値を,病変が瘢痕期である時はより高pH値を示したが,十二指腸潰瘍では瘢痕期においてもなお無所見群よりも明らかに低pH値にとどまった. 本法は被検者に苦痛を与えることなく,多数例に反復施行が可能であり,胃の形態と機能の両面から同時に観察することができ,臨床上有用であると考えられた.
著者
Takeshi NAKAYAMA Mikio ICHIKAWA Hirokuni YAMAGUCHI Hiroshi NONAKA Takashi SUZUKI Kenchiu KOGAWA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.14-25, 1989-01-20 (Released:2011-05-09)

胃ポリープ122例について5年以上平均7年10カ月間経過観察を行なった.そのうち87例(71.3%)に何らかの形態変化を認めた.ポリープの伸長33例(27.0%),膨大44例(36.1%),脱落21例(17.2%),新生20例(16.4%),胃癌の発生7例(5.7%)であった.胃癌発生例のうち1例はポリープそのものの癌の発生であったが,6例は経過観察中に胃癌が併発した. 胃ポリープ症例は胃癌の併発に注意して経過観察を行なう必要がある.
著者
Shinji SHIRASAKI Osamu HOSOKAWA Kunishige WATANABE Shiougi TUDA Shin YAMAZAKI Noboru YAMAMICHI Fumio KONISHI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.848-855_1, 1989-04-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
4 or 0

当科における1963年から1985年までの早期胃癌切除例は1,038例であり,このうちI型早期癌は68例76病巣である.このI型早期癌の病理組織学的検討により,24例25病巣は胃過形成性ポリープ(以下H.P.と略記)の癌共存病変であり,I型早期癌の33%を占め,早期癌全症例の2.3%を占めていた.24例中16例17病巣は胃切除例であり,8例8病巣は内視鏡的ポリペクトミー症例であった.病変の最大径は0.7cm~5.5cmで平均2.6cmであった.最大径2cm未満の症例が8例存在し,このうち2例は1cm未満であった.また,病変に占める癌組織の割合の小さいものは,病変も小さく,病変に占める癌組織の割合が大きくなるに従い,病変も大きくなる傾向がみられた.これらより,かなり小さなH.P.にも癌が発生(H.P.の癌化)し,良性組織の増加を幾分伴いながら癌組織が増殖し病変が増大していく事が示唆された.内視鏡所見では,症例によりかなりの差異が認められ,全般的には表面の凹凸不整,白苔,びらん,出血等が観察された.また,経過観察が可能であった症例の内視鏡所見の検討より,大きさの増大,表面凹凸不整の増強が,癌発生(癌化)の可能性を示唆しうる所見と考えられた.当施設における内視鏡的ポリペクトミー開始以来10年間の生検あるいはポリペクトミーにより,H.P.と診断されたものは1,508例であり,同期間中のH.P.の癌共存例数は16例(1.0%)であった.
著者
Hiroji NAKA Toshiro SUGIYAMA Mototsugu KATO Masahiro ASAKA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.2035-2043, 1999 (Released:2011-05-09)

上部消化管内視鏡検査後の急性胃粘膜病変(PE-AGML)は日本において1973年頃から指摘されていた.このPE-AGMLの原因は当初,一般のAGMLと同一と思われており偶然にその発症前後を観察したと考えられていた.その後,内視鏡検査によるストレス説,内視鏡挿入・空気注入に伴う胃の過伸展による血流障害説などが主に推測され検討されてきた. 1989年からPE-AGMLとHelicobacter pylori(H.pylori)との関連が検討されはじめ,その発症には主にH.pyloriが関与している多くの研究結果が報告されてきた.加えて,内視鏡機器の洗浄・消毒法の検討もおこなわれ,事実上,PE-AGMLは十分な内視鏡の消毒により激減してきた.したがって今日では,PE-AGMLは内視鏡機器の不十分な消毒によって介在される微生物感染が主因であり,その中でH,pylori感染が中心をなしているのではないかと考えられるようになってきた.
著者
ARIYOSHI IWASAKI KEIICHIRO ISHIGURO TOSHIMITSU OSUMI TOSHIHARU AIZAWA MICHIO YONEZAWA NORIHIKO KUDO FUMIAKI SUGIMURA TATSUYA UNOURA MASANAO ABE TAKAO HAYASHI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.692-699, 1979-06-20 (Released:2011-05-09)

胃潰瘍および十二指腸潰瘍の再発について両者を比較しながら検討を行った.胃潰瘍の再発率は36.7%,十二指腸潰瘍は35.6%で,両群ともほぼ同様の傾向である.再発の傾向は両群に多くの共通点がみられる.即ち両群とも男性,治癒遷延例,初回開放例,多発例,および治療中止例に再発率が高い,また累積再発率も同様の傾向を示し,治癒後1年以内の再発は胃潰瘍50.8%,十二指腸潰瘍44.5%,2年以内では胃潰瘍75.0%,十二指腸潰瘍75.5%となっている.また胃液分泌能については両群とも活動期→治癒期→瘢痕期と潰瘍が治癒に向うごとに低下がみられるが,時相別に比較しても再発例と非再発例との間に差は認められなかった.両群を比較して大きな違いをみせたのは年代別の再発率で,胃潰瘍のピークが50歳代であるのに対し十二指腸潰瘍では29歳以下となっており,逆に再発率の一番低かったのは胃潰瘍では29歳以下に対し,十二指腸潰瘍;は60歳以上と非常に対称的であった.
著者
Keiichiro IWAI Takayuki MATSUMOTO Motohiro ESAKI Takashi YAO Masahiro KAMADA Mitsuo IIDA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.2493-2498, 2006-10-20 (Released:2011-05-09)

症例は71歳,男性.山で採取したツキヨダケを摂取したところ,その8時間後より激しい腹痛,嘔吐,下痢が出現し来院した.第4病日の内視鏡検査では,十二指腸下行部に浮腫とびらん形成を伴った粗槌粘膜をびまん性に認め,第7病日に施行したX線検査では,十二指腸下行部から水平部にかけてKerckring皺襞の腫大,線状ないし不整形バリウム斑の多発,および亀甲様粘膜面を認めた.保存的治療のみで臨床症状は速やかに改善し,2カ月後の内視鏡検査では十二指腸病変の治癒が確認された.患者血清中にツキヨダケの毒素であるイルージンSは証明できなかったが,臨床経過から自験例はツキヨダケの誤摂取により生じた急性十二指腸炎と考えられた.ツキヨダケによる食中毒は発生件数が多いものの,その消化管病変に関する記載は少なく,自験例は貴重と考えられた.
著者
Yoshiharu NAKAMURA Masahiko ONDA Eiji UCHIDA Matsuou INOUE Susumu YAMAMURA Takeshi MATSUTANI Hiroshi MARUYAMA Shigehiko YOKOYAMA Noriyuki ISHIKAWA Takashi TAJIRI Kiyohiko YAMASHITA Toshikazu YAMAGUCHI Shingching YUN
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2848-2852_1, 1996-12-20 (Released:2011-05-09)

膵癌を疑われた33例に対して, 十二指腸乳頭括約筋を弛緩させるためにニトログリセリン舌下錠を投与し経口的膵管内視鏡検査を施行した. 最大2錠 (0.6mg) の投与により外径2.2mmの膵管鏡は容易に乳頭を通過しえた (29/33, 87.9%) . 通過不能の4例はすべて膵頭部癌症例で, カニュレーションを深く行えず十分にガイドワイヤーを留置できなかったことが原因であった. 乳頭通過後に膵管内を尾部あるいは病変まで観察できたものが29例中23例であった. 血圧の変動はニトログリセリン非投与群と比し有意差を認めず, 合併症は1例も経験しなかった. ニトログリセリン投与は簡便かつ安全で, 確実に乳頭を開大させることが可能で, 経口的膵管鏡検査において有効な方法と思われた.
著者
Kazuo ENDOH Masahiko YAMAZAKI Tatsuya KUZUSHIMA Shunichi FUKAO Hiroko YOKOTA Sadao NAKANO
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.79-83, 1997-01-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
3 or 0

症例は70歳の男性.内視鏡的大腸ポリープ切除後の経過観察のため施行した大腸内視鏡検査で回腸終末部に腫瘍を認めた.外科的切除した腫瘍は亜有茎性で,大きさ4.5×2.8×高さ2.2cm,病理組織学的に高分化腺癌で,深達度はmであった.極めて稀有な症例と考えられた.回腸癌の早;期発見のためには回腸終末部の観察が重要である.
著者
Kenichirou HIRATA Haruki TATSUGUCHI Tamaki MOCHIZUKI Masanobu MITANI Tsuyoshi YABANA Morimichi FUKUDA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.323-332, 1992-02-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
1 or 0

胃平滑筋腫19例と胃平滑筋肉腫8例について超音波内視鏡(EUS)による超音波断層像を検討し,良・悪性の鑑別診断を試みた.腫瘍の最大径で両者を比較すると平滑筋腫では3.9±1.9cm,平滑筋肉腫では9.9±5.9cmで有意差(p<0.0005)を認めた.腫瘍の最大径別に3cm未満,3~8.9cm,9cm以上の3段階に分類し超音波断層像を検討した.3cm未満では7例中6例が平滑筋腫で,その超音波断層像は辺縁整,内部エコー均一(1例のみ不均川一),径1cm以上の嚢胞(-)で特徴的であった.また,9cm以上の大きな腫瘍は4例全例が平滑筋肉腫で径1cm以上の嚢胞を有していた.しかし3~8.9cmの範囲の腫瘍16例では超音波断層像の組合せで鑑別診断を試みても正診率は60%台に留まった.以上より,最大径3cm未満および9cm以上の腫瘍はEUSでほぼ的確に良・悪性の鑑別が可能であるが,3~8.9cmの腫瘍は鑑別が困難な場合があり,生検を含む積極的なアプローチが必要と考えられた.