著者
Matsunaga Mai
出版者
近畿大学英語研究会
雑誌
Kinki University English Journal (ISSN:18827071)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-50, 2010-08

Based on the results and analysis of a first set of pilot tests, a second set of pilot English proficiency and teaching skills tests for English teachers in Japanese elementary schools was developed. In this paper, the results and examination of the second set of pilot tests are explained. In order to measure current levels of oral proficiency and teaching skills of elementary school teachers, a listening test and an interview test in English were conducted. The listening test consisted of questions adapted from a listening section of the EIKEN test grade 3 (Obunsha, 2007). The interview test consisted of two parts: the first part tested oral skills, especially speaking skills; and the second part tested teaching skills. Fifteen inservice elementary school teachers took the second set of pilot tests in 2009. To sum up the results of these pilot tests, the participants achieved high levels on the listening test while they tended to achieve only low levels on the interview test. Furthermore, examination of the contents of the second set of pilot tests revealed that the changes in the interview test helped to improve the quality of the test. (和文) この論文では、小学校における日本人英語指導者を対象として作成、実施した第1回資質診断パイロットテストの結果と分析をもとに改訂された、第2回パイロットテストの結果と改訂内容の検証について報告している。主にオーラルスキルと英語による指導力を測定するために作成されたパイロットテストは、リスニングテストとインタビューテストの2種類から構成されている。リスニングテストは実用英語技能検定試験(英検)3級の問題を使用した(Obunsha, 2007)。インタビューテストはスピーキング能力を測定するパート、指導力を測定するパートの2部構成であった。第2回パイロットテストは2009年に15名の現職小学校教員を対象に実施された。結果をまとめると、参加者全体的にリスニングテストの得点は高かったが、インタビューテストの得点は低かった。さらに、改訂内容の検証を行ったところ、インタビューテストの改訂内容がテストの質を高めたことが分かった。
著者
森本 道孝
出版者
近畿大学英語研究会
雑誌
Kinki University English Journal (ISSN:18827071)
巻号頁・発行日
no.5, pp.67-78, 2010-01

近畿大学非常勤講師サム・シェパードの『地獄の神」のラストシーンでは、エマがただ一人舞台に残り、家に起こった危機を夫に知らせるためにポーチのベルを鳴らす。彼女の意思に反し、家の中はウェルチによってアメリカへの愛国心を示すもので満たされていくが、これはアメリカ国民が知らぬうちに愛国心を強要されている状況をも示す。この劇のタイトルはプルトニウムの語源である地獄神プルートを示すが、この物質の持つ見えざる浸透力はアメリカ国民に蔓延しているアメリカ国家の持つ力への盲目的な信念の忠実なメタファーとなっている。作中でヘインズが言うように、個人と国家の問題の境界は消失し、エマのベルはアメリカ国民の現状への警鐘の役目を担っている。これらの点から、この劇をもってシェパードがより視野を広げ、政治的視点をこれまでより明確に示していることを指摘したい。