著者
Noriyasu OMATA Susumu SHIRAYAMA
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
Transactions of the Visualization Society of Japan (ISSN:13465260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.48-54, 2017 (Released:2017-10-31)
参考文献数
19

流体実験や計算によって得られる定量的なデータが,「見た目」といった定性的な方法によって分析される場合は少なくない.これは定量性や客観性の面で問題である.一方で,近年,定量性や客観性を欠くとされるタフト法のような実験法からも定量的な分析が行えることが示唆されている.本稿では,タフト法から取得された,流れの3次元方向ベクトルの時空間データに対する統計的空間分割を介したパターン抽出法を提案する.はじめに,各タフトの位置での時系列データを確率モデルによって表現し,確率分布間の距離を導入することでモデル同士の類似度を算出する.次に,この類似度に対してスペクトラルクラスタリングを適用することでパターン抽出を行う.実際のデータに適用した結果,空間パターンの抽出に成功した.これにより,提案手法に一定の妥当性があることが示された.