著者
石田 裕
出版者
東京農業大学短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

結果:市販の乳化型被膜剤を用いてイマザリル(IMZ)とチアベンダゾール(TBZ)を展着させた物を試料とした。じゃが芋では、展着風乾後の皮の部分にIMZ47ppm,TBZ93ppm、身の部分にIMZ0.6ppm,TBZ0.8ppm、更に水洗浄(振盪5分)後は、それぞれ45ppm,65ppm,1.2ppm,1.3ppm、洗浄・蒸し調理30分後は30ppm,16ppm,0.6ppm,1.5ppm、洗浄・ラップ包装電子レンジ調理(500W、4分)後は25ppm,30ppm,0.4ppm,1.8ppmが検出された。又洗浄後クシ型に8分割し、揚げ調理(180℃3分)を行なったものは、それぞれ4.8ppm,16.4ppm,0.2ppm,0.4ppmが検出された。この結果から、1.洗浄での除去率は低いが、内部への浸透が若干高まる。2.蒸し調理と電子レンジ調理では同様の傾向が見られ、これはラップ包装により、蒸し加熱と同様の効果が起る為と考えられる。3.揚げ調理ではIMZでは約1/10に,TBZは約1/4に減少し、原因として高温(180℃)加熱による分解あるいは揮散と、揚げ油への溶出が考えられた。4.油中の絶対量と、じゃが芋に残存する絶対量について測定を行なった結果、IMZは芋中の残存料とほぼ同量が、TBZは約1/2量が油中に検出され、油への移行が認められた。しかし初期の展着量からみると油中と芋中の量を合わせてIMZは約1/5、TBZは約1/2.5であり、損失部分が多くを占めた。人参についてもじゃが芋と同様の傾向がみられたが、皮がじゃが芋に較べ軟弱であることから、内部への浸透がやや大きかった。レモンについては果皮が強固で厚みがあることから、内部への進入は殆どみられず、IMZ、TBZのいずれも、身では0.1ppm以下であった。しかし皮には水洗後もIMZ7.2ppm,TBZ16ppmが検出され、単なる水洗浄では除去効果が殆どみられなかった。またマーマレードの作成において、出来上り時のIMZとTBZの濃度はいずれも1.0ppmで、展着時の1/10および1/20程度と低い含有を示し、煮沸後の水さらしとpH4前後での煮熟が、残存量の低下に関与することが示唆された。

言及状況

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調理操作における果実、野菜類のポストハーベスト農薬の消長(東京農業大学短期大学部)http://t.co/VCSagos2XX ポストハーベストのイマザリル、TBZ(油溶性)での実験。「単なる水洗浄では除去効果が殆どみられなかった」
食品選び。放射能だけを気にしていると別のリスクに突撃することが多いので、総合的なリスク判断が大事です。輸入食品のポストハーベストや果物類のネオニコチノイド農薬は洗ってもそうは落ちないし、逆に洗うことで内部に染み込む場合があります。http://t.co/SCTNlzl3

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