著者
野町 素己
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本年度は、昨年まで行ってきた研究理論および研究材料の収集から、具体的な言語材料や言語研究を基にした記述・分析を行い、まとめる段階に入った。具体的には、主に(1)カシュブ語研究、(2)スロヴェニア語研究、(3)ブルゲンラシド・クロアチア語研究を行ったが、中でも広い意味での「所有文」からの派生構文としての「間接受動文」の類型的研究において成果を挙げた。当該構文の研究は、上記3言語において、これまで記述・分析が全く行われていなかった部分なので、個々の言語研究への貢献と同時に、スラヴ語類型論への貢献になったといえる。この成果は、3月末に行われるロシアおよびイギリスの国際学会で発表される。また、これまでの研究成果を踏まえて、新刊のロシア語文法書への書評論文(Russkijjazyk za rubezhom 210,No.5,pp.98-101)、アレクサンデル・ラブダによる未刊のカシュブ語文法の紹介と批評も行った(2009年1月10日の地域研究コンソーシアム次世代ワークショップにて)。その他、本研究の国際的な意義についても述べる必要がある。本年度の成果を出すにあたり交流を続けできた海外の研究者(アメリカ、デンマーク、ポーランド、オーストリア、セルビア、クロアチア、マケドニアなど)とともに、ICCEES(International Council for Central and East European Studies)の全国大会に向けて、パネル組織を視野に入れた共同研究を進めており、個人研究から国際共同研究という新たな段階に進んでいる。

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こんな研究ありました:スラヴ諸語における所有性の意味および構造の類型論的研究(野町 素己) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/07J00974
こんな研究ありました:スラヴ諸語における所有性の意味および構造の類型論的研究(野町 素己) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/07J00974

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