著者
大隅 良典 大隅 萬里子
巻号頁・発行日
1996 (Released:1996-04-01)

自食作用は、真核細胞に普遍的で重要な生理機能である。我々が見いだした酵母の自食作用をモデル系として、分子遺伝子学的手法により自食作用に関わる分子の同定と機能の解析を進めている。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。これまで得られている14個の自食作用不能変異(apg)を相補することを指標にAPG遺伝子群のクローニングと構造解析を進め、本年度までに13個の遺伝子の同定に成功した。これらは全て新規の遺伝子であった。我々が開発したアルカリ性ホスファターゼを用いた自食作用の検出系を用いて、APG遺伝子間の相互作用を解析した結果、Apglタンパクキナーゼの過剰発現によってspg13が抑圧されること、APG7の過剰発現によってapg4が抑圧されることが見いだされた。APG13は、親水性のタンパク質をコードしており、興味深いことにApg13pは増殖期にはリン酸化されており、栄養飢餓下には脱リン酸化される。栄養条件で存在様式が速やかに変動するタンパク質としてはじめて同定されたタンパク質である。APG9は、構造から膜タンパク質であることが推定され、細胞分画法などによりこのことが確認された。自食作用におけるダイナミックな膜動態を解析する上で重要な指標タンパク質となることが期待される。APG7は飢餓条件に応答してその発現が著しく上昇する。現在までにApg1,4,6,7,8,9,13に対する特異抗体を作製し、遺伝子産物の同定と細胞内局在性の解析を進めている。栄養培地中でも、自食作用が誘導されるcsc1,csc2の解析を進め、2つの遺伝子を同定した。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

@shuhugakureki99  こちらも。https://t.co/A6lBzhyJcE

収集済み URL リスト