- 著者
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杉山 芳樹
石橋 修
世良 耕一郎
- 出版者
- 岩手医科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1999
1.われわれは、17名の口腔扁平苔癬患者(疾患粘膜群)および86名の健常者(健常粘膜群)の頬粘膜の頬粘膜を採取し、PIXE法による微量元素分析を行い比較検討した。2.疾患粘膜群、健常粘膜群から24種の必須元素および11種の汚染元素を検出した。3.このうちカルシウム、セレン、ルビジウムは、疾患粘膜群では健常粘膜群に比較して有意に低値を示した。4.口腔扁平苔癬は30歳以上の女性に好発する。そこで、30歳以上の女性について疾患粘膜群14検体、健常粘膜群15検体を比較した。30歳以上の女性では、リン、鉄、亜鉛、ストロンチウムが疾患粘膜群で有意に高い値を示した。5.われわれの研究により、口腔扁平苔癬患者の口腔粘膜には金属アレルギーの原因といわれるd-遷移元素が高い値を示すことが証明された。