著者
安井 伸太郎
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

今年度初旬に計画した通りに研究を進めてきた。まずはプロセスに関して、ローカルエピタキシャル成長のための(111)SrRuO_3/(111)Pt/(111)Si基板をスパッタリング法を用いて作製した。この基板を用いて、ローカルエピタキシャル成長させた一軸配向Bi系圧電体薄膜を堆積させた。強誘電体材料は高圧相材料であるBi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3、およびその固溶体Bi(Zn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3-Bi(Mn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3-BiFeO_3を用いた。XRDθ-2θパターンおよびX線極点図の結果より、堆積されたこれらの薄膜材料は基板の方位に沿って(111)軸に配向しており、また面内方向はランダムであった。これは作製した薄膜がローカルエピタキシャル成長している結果である。作製したSi基板上のこれらの薄膜について、圧電応答顕微鏡(PFM)を用いて、基板垂直方向の圧電特性d_<33>を測定した。このPFM測定にはAFMのZ-piezo信号を用いた歪電界曲線を用いた。その結果、Bi(Mg_<1/2>Ti_<1/2>)O_3、およびその固溶体Bi(Zn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3-Bi(Mn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3-BiFeO_3において40pm/vおよび75pm/Vであった。後者の材料の圧電特性は(111)SrRuO_3//SrTiO_3基板上に作製されたエピタキシャル薄膜の場合で150pm/V程度の圧電性を示したが、ローカルエピタキシャル膜の場合は半分程度の値となった。この理由はモルフォトロピック相境界の組成領域が、成長させる基板で異なる可能性がある、言い換えると内部の残留歪に敏感であり、異なる組成域を示す可能性が考えられる。事実、高圧合成法で作製された粉末の結晶構造解析の結果より、薄膜におけるモルフォトロピック相境界と粉末におけるそれは、異なる組成を示した。今後、カンチレバーおよびSAWデバイス用に加工した基板を用いて、上記で調査した特性を基に必要な組成・方位の薄膜を作製する予定である。

言及状況

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KAKEN - Bi系非鉛圧電体薄膜の厚膜化とSiデバイス作製プロセスの確立(11J09386) - https://t.co/UmnJ38PYOX 安井君頑張ってるね(^O^)

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