著者
米田 力生
出版者
小樽商科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

ベルグマン空間は、複素平面上の開単位円板上のp乗可積分正則関数からなるバナッハ空間であり、複素平面上の単位円上のp乗可積分正則関数からなるバナッハ空間として定義されるハーディー空間とは密接な関係があり、p=2の場合、両空間とも荷重付きディリクレ空間とみなすことが出来る。本研究の目的は、一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上のハンケル作用素及びテープリッツ作用素の有界性、コンパクト性、及び閉値域を持つ条件の特徴付けを行うことである。そこで先ず、荷重付きディリクレ空間上で定義される二つの特殊な積分作用素が、ハンケル作用素及びテープリッツ作用素とかなり似通った性質をもつということに着目し、それらの積分作用素の解析を行った。具体的には、荷重付きディリクレ空間上で定義される二つの積分作用素及び掛け算作用素の有界性、コンパクト性、及び閉値域を持つ必要十分条件を特徴付ける研究に着手し一定の成果を上げた。その結果は幾つかの研究集会において発表し、現在、専門雑誌に投稿中である。そして、それら二つの積分作用素及び掛け算作用素の特徴付けを応用し、荷重付きブロッホ空間上の合成作用素、掛け算作用素が閉値域を持っ必要十分条件に関する研究を行い、これまでには無かった新しい結果を得た。そこでまとめた結果は学術論文として現在投稿中である。また、その結果に関して更なる吟味を重ね、荷重付きディリクレ空間上における(ある特殊な条件の下で)合成作用素、テープリッツ作用素の閉値域を持つ新しい必要十分条件を得た。その結果に関しては幾つかの研究集会において発表を行い、現在、専門雑誌に投稿中である。更に、具体的な例の検証から、別の必要十分条件に関する研究に着手し、幾つかの成果が上がってきている。これらの結果は来年度、発表予定であり、吟味の上で、専門雑誌に投稿する予定である。

言及状況

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こんな研究ありました:荷重付きディリクレ空間上のハンケル作用素及びテープリッツ作用素の解析(米田 力生) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/17740074

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