著者
江波戸 宗大
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

1.目的本研究では、畜種別にふん尿中に含まれる抗生物質の種類や量を把握し、堆肥化過程での抗生物質の消長、また抗生物質を含む堆肥が土壌に施用された場合の土壌への抗生物質残留性について明らかにする。今年度は、(1)畜種別の堆肥に含まれる抗生物質含量を測定した。また、(2)堆肥化過程での抗生物質の消長を調査するために、小型堆肥化装置で牛ふん尿を堆肥化し、抗生物質検定キットを用いて抗生物質含量を測定した。2.方法(1)牛ふん堆肥、豚ふん堆肥、鶏ふん堆肥について抗生物質検定キットを用いて、抗生物質含量を測定した。(2)抗生物質の使用履歴がない肉牛より採取した牛ふん尿に麦藁を粉砕したものを水分調整の副資材として水分含量が70%程度になるように加え、市販されている小型堆肥化装置((株)富士平工業かぐやひめ)を用いて堆肥化した。この間、微生物による抗生物質生産の有無を調査するために、経時的にサンプルを採取し、抗生物質検定キットで抗生物質含量を測定した。3.結果(1)牛ふん堆肥からは抗生物質は検出されなかったが、同じ豚ふん堆肥および鶏ふん堆肥でも抗生物質が検出された場合と検出されなかった場合があり、定量的に抗生物質を測定するためには抽出方法を検討する必要があることが明らかになった。また、牛ふん堆肥で抗生物質が検出されなかったが、検出限界以下で含まれていることも想定できるため、抽出液の濃縮についても検討する必要があると考えられた。(2)小型堆肥化装置での発酵温度は外気温に大きく左右され、通常の堆肥化ほど温度が上昇せず、堆肥化条件としては検討の余地があったが、経時的にサンプルを採取し、抗生物質検定キットで抗生物質含量を測定した結果、抗生物質は検出されなかった。(1)の結果と同様に、この場合も検出限界以下である場合が想定されるため、抽出液の濃縮について検討する必要があると考えられた。

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