- 著者
-
金兼 弘和
- 出版者
- 東京医科歯科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
原発性免疫不全症(primary immunodeficiency disease: PID)は、先天的に免疫担当細胞に欠陥がある疾患の総称であり、障害される免疫担当細胞(例えば、好中球、T細胞、B細胞など)の種類や部位により300以上の疾患に分類される。臨床症状は易感染性のみならず、自己免疫疾患や悪性腫瘍も合併も高頻度であり、これらの合併症が前面にでるPIDも存在する。単一遺伝子病でありながら、臨床的多様性が広く、epigeneticな要因などが想定されているが、詳細は明らかではない。最近、腸内細菌叢がさまざまな疾患の病態に関わっていることが報告されているが、PIDの腸内細菌叢に関する研究はまだ多くない。本研究ではPIDでも自己免疫疾患の合併が多く、腸内細菌叢の異常を伴うことが予想される炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease: IBD)の合併が多い疾患を対象とし、腸内細菌叢がPIDの病態にどのように関わっているかと明らかにする。本研究では家族性腸管ベーチェット病の原因として同定されたA20ハプロ不全症ならびにIBDを高頻度に合併するX連鎖リンパ増殖症候群2型であるXIAP欠損症を対象とした。両疾患はPIDのなかでも比較的稀であるが、当科はレファレンスラボであり、多数例の患者をフォローしており、信頼性のあるデータが得られる可能性が見込まれる。患者ならびに家族から同意を得て、患者本人ならずに同居家族から糞便を採取した。また造血細胞移植を受けたXIAP欠損症患者では移植後の検体も採取した。便からDNAを採取し、次世代シークエンサーを用いた腸内細菌叢の解析を行っているところである。