- 著者
-
河野 由美
- 出版者
- 自治医科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
低出生体重児では注意欠如多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症 (ASD)などの発達障害に類似した特異的な行動発達を高率に認めるといわれる。その原因はいまだ不明だが、子宮内、新生児期の高度なストレスによるエピジェネティクスの関与も疑われる。ストレス反応には、ヒトGR 遺伝子(NR3C1)のほかに、コルチゾール不活化酵素である11β- hydroxysteroid dehydrogenase 2遺伝子(11βHSD2) 、セロトニントランスポーター遺伝子(SLC6A4)などが関与していることが知られている。本研究では、この3つのストレス反応関連遺伝子のメチル化解析を行うことを目的とした。2019年度では前年度に引き続き、1) 研究機関で運用している「NICU入院児の検体保存バンク」の試料を用いて前出遺伝子のメチル化解析を行うこと、2)妊娠経過、在胎期間、出生体重の周産期情報、NICU入院期間中にみられる合併症、治療についての臨床情報を用いることについて、対象の選択と同意取得を行った。新たに「NICU入院児の検体保存バンク」での試料保存している12名から同意を得た。昨年度分とあわせて18名25検体からDNAを抽出した。先行文献からセロトニントランスポーター遺伝子(SLC6A4)の解析領域候補として5'UTR領域の20CpGのメチル化率を測定することとした。先行研究で解析したヒトGR 遺伝子(NR3C1) プロモーター領域の15CpG サイトとあわせて、現在第1回目のメチル化解析をバイサルファイトシークエンスにより行っている。また対象となる18名の周産期・新生児情報を後方視的に診療録から取得し、昨年度作成したデータベースに情報を追加した。