著者
藤本 悠
出版者
奈良大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

現代日本における社会問題のひとつに人口問題がある。特に地方においては「過疎」という言葉を通じて論じられることが多く、1960年代以降、様々な分野において議論され続けてきた。しかしながら、根本的な解決に至らないまま、農林漁業を主要産業とする数多くの地方小集落が消滅の危機に瀕しているのが現状である。この問題に対して、作野広和は「むらおさめ」という考え方を提唱し、消滅を免れ得ない集落においては潔い終焉を認めつつ、その集落が存在した記録を後世に遺すという方向性を議論した。「むらおさめ」の考え方の是非は置いておいたとしても、消滅の危機に瀕した集落の記録をデジタル・アーカイブとして遺すことは極めて重要な課題であり、その必要性は様々な分野において論じられている。しかしながら、この課題に取り組む上での具体的な方策は議論されていないのが現状である。特に「費用に関わる課題」、「技術に関わる課題」、「人的資源の確保に関わる課題」、「共有化に関わる課題」の4つの課題は避けて通ることはできない問題であり、これらの課題に対する方法は早急に検討する必要がある。本プロジェクトではこれらの課題を解決するために低コストで汎用的なデジタル・アーカイブの方法を確立を目指している。平成29年度には「集落アーカイブ」のための概念的な枠組みを整理するとともに、国際標準ISO19100シリーズに準拠したデータベース・スキーマの設計、デジタル・アーカイブ支援システム「Survey Project Manager」および「Survey Data Collector」の開発を行い、調査対象地域のひとつである島根県益田市匹見町において実践的な取り組みを行った。また、構築したデジタル・アーカイブを用いた分析方法の検討も行った。

言及状況

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集落資料を遺す方法としてデジタルアーカイブという方法を採用する、ということですかね...公共図書館でも応用できそう、というか、すでにしている?? https://t.co/rJ19mCLF0s

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