著者
隠岐 さや香
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の目的は18世紀フランスにおける科学研究への投資の実態とその思想史的背景について、パリ王立科学アカデミーの財務会計記録資料を中心に調査するこ とである。 令和二年度は研究補助者も雇用しつつ、これまで調査した史料の解読と整理を行った。パリ王立科学アカデミー財務会計資料は非常に散逸が激しく、年度ごとの支出や予算総額を知るだけでも複数の文書館の史料を突き合わせることが必要であることがわかった。また、財政史において王政期というのは一般的に「パトロネージから官僚制へ」などと要約されるが、それは王侯貴族が気に入った存在に報奨金を与えるという私と公の切れ目がなかった状態が、近代的な職業的・専門的組織における金銭のやり取りへと制度化されていく過程にあたる。科学アカデミーの財政においても同様の特徴が窺えることがわかった。これらの成果を取りまとめ、2020年11月にはフランス語による国際研究集会での発表を行った。現在はその内容をフランス語の論文にまとめているところである。この他、一般向けの新書で終身書記コンドルセの評伝を執筆したが、その中で本研究の成果を一部使用した。また、やはり一般向けの公開講演や媒体において学問の「自律」「自由」に関連する文書を発表し、本研究プロジェクトの内容を一部使用した。2021年3月に本研究成果を用いた公開セミナーと講義のため、フランスのパリ第一大学(パンテオン・ソルボンヌ)から招聘されていたが、コロナ禍により延期となった。

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