- 著者
-
酒井 大輔
- 出版者
- 北見工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
本研究では、物理的・化学的に安定しており、高い透過率を有するガラスの中で、世界的にもっとも普及しているソーダライムガラスに対し、微細な屈折構造を形成し、光学機能を付与する方法の確立と実現を目的とした研究を行う。従来、ガラスに対する微細構造形成には、大掛かりで高価な装置が必要であったが、本研究では、より安価な装置で処理が可能な独自の電界プロセスによる構造形成を目標としている。4年間での研究遂行に向け、・電圧プリント法の確立・選択堆積法の発展・微細屈折構造の光学機能計算・実装・評価の3点に着目した研究を計画している。初年度となる2018年度は、まず、電圧プリント用実験装置を作製した。電圧印加プロセスにおける昇圧タイミングを制御し、その際に流れる電流値を収集する必要があったため、LabVIEWを用いた機器制御プログラムとデータ収集プログラムを開発した。必要となる高圧電源などは過去の研究で用いた装置を流用し、ヒーター並びに徐冷機構を備え、温調も可能とした。作製した装置を用い、電圧プリント実験を行った。正極には荒い周期構造を加工した金属を用い、ソーダライムガラスとの間に微細な凹凸構造を形成した樹脂をはさみ、電圧印加を行った。電圧印加後、ガラス表面をレーザー顕微鏡により観察した結果、ガラス上には正極の荒い周期に応じて、樹脂上に形成されていた微細な構造を転写できていることが明らかとなった。加工の容易な樹脂上に形成した構造を加工の困難なガラスに転写できる新たな手法となり得るため、特許出願を行い、国際会議などで発表を行った。