著者
田代 晃正 太田 宏之
出版者
防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

これまで、我々は強い光が眼に入ると、副交感神経反射により眼球内の血管拡張が促されることを明らかにし、この血管拡張が侵害刺激となり三叉神経を刺激(三叉神経ー副交感神経回路)、不快感(眩しさ)を誘発していることを提唱してきた。本年度は、光刺激に伴う三叉神経-副交感神経回路の興奮性増大に対するメラノプシン発現網膜神経節細胞(ipRGC: intrinsically photosensitive retinal ganglion cell)の関与を調べた。強い光が眼に入ると、三叉神経-副交感神経回路が興奮し、流涙反射がおこる。そこで、三叉神経-副交感神経回路へのipRGC の関与を調べるために、光刺激に対する反射涙の量を指標とし、検討を行なった。メラノプシンアンタゴニスト(オプシナミド)を静脈投与し、反射涙量の変化を観察すると、光刺激により誘発される反射涙の量は著しく減少した。また、反射涙を制御する三叉神経脊髄路核中間亜核(Vi)と尾側亜核(Vc)の移行部(Vi/Vc)のニューロンの活動を指標とし、三叉神経-副交感神経回路へのipRGC の関与のさらなる検討を行なった。in vivo 単一細胞記録法を用い、眼球への光刺激に反応するVi/Vcニューロンの神経活動記録を行い、オプシナミドによる神経活動の変調を観察した。その結果、光刺激により誘発されるVi/Vcニューロンの興奮性の増大はオプシナミドの静脈投与により、著しく減少することが明らかとなった。これらの結果より、「眩しさ」を誘発する三叉神経-副交感神経回路の興奮に対するipRGCの活性の関与が示された。今後は、刺激光の波長変化によるipRGCの活性の制御と、三叉神経-副交感神経回路の興奮の関わり合いを検討する。

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メモ KAKEN — 研究課題をさがす | 「眩しさ」を生みだす痛み成分の神経機構に関する研究 (KAKENHI-PROJECT-18K06884) https://t.co/DUiZwukxuw
@sho12103 私の場合は光による頭痛なので左右の小後頭・大後頭と三叉神経第一枝を希望しています。目の表面の痛みや眩しさは三叉神経第一枝で感知しているという論文もあるので、なおさらやってみたいのです。https://t.co/gccMGmscSZ

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